医療、健康、予防をキーワードに、医用画像診断のパイオニアとして邁進し続けるキヤノンラフケアソリューションズ株式会社。2012年9月より「OCT-HS100」の販売を開始し、高速スキャンによる高画質3D画像を眼科領域にもたらした。その実現のために使用されているのが「HP Z420 Workstation」である。
「OCT-HS100」の導入により、眼科医療の現場にどのような変化が起こり得るだろう。小坂靖史氏(同社眼科・感染管理ソリューション販売推進部眼科機器販売推進課課長代理)、高橋昭法氏(同社営業推進統括本部フィールドサポート本部ヘルスケアフィールドサポート部ヘルスケアフィールドサポート第一課東京駐在チーフ)、田部井裕介氏(営業統括本部フィールドサポート本部ヘルスケアフィールドサポート部ヘルスケアフィールドサポート第一課東京駐在)にお話を伺ってみた。
目的
・OCTの3Dスキャン機能をフルに活かすための環境作り
・インフォームド・コンセントへの有効活用
アプローチ
・緑内障等疾患の検診
・安定したシステム運用
システムの効果
・緑内障等疾患の早期発見
・長期製品サイクルによるキッティング作業の削減
ビジネスへの効果
・3D画像によるスクリーニングのサポート
・眼科領域のドックとしてのOCTの位置づけ
眼科領域におけるOCTの有用性
では、実際OCTは臨床の現場でどのように活用されているのだろうか。小坂氏に尋ねてみた。「診断で最も多いのは加齢黄斑変性をはじめとする黄斑疾患です。また、網膜剥離などの網膜疾患。そして最近特に多いのが緑内障です。OCTは断層を写すことができるため、剥離や浮腫などの診断に使われることが多いのですが、初期の緑内障においては網膜の一部分の層が薄くなるという症状が現れます。OCTの断層画像を活用することで経過的に観察することが可能です」。
HP製Workstationの安定性
高速スキャンによる高解像度3D画像の実現
OCTが築く眼科領域の未来
「OCT-HS100」を活用することにより、ひいては「HP Z420 Workstation」の性能を活かすことにより、今後どのような展望が見えてくるのだろう。小坂氏は「『OCT-HS100』は当社での1台目のOCTであり、今後は様々なバリエーション、ハイエンドなものからローエンドなものまで派生させていきたいです。診療的な展望について話をすると、今は眼科のみですが、今後は様々な分野の検診に参入していきたいです。とりわけ検診は日本が力を入れている分野であり、眼底カメラなど当社の既存の製品とも条件が一致します。更に先を見据えるのであれば、ゆくゆくは脳ドックなどと同列に、緑内障であったり加齢黄斑変性症のためのドックにOCTを組み込んでいきたいです」とOCTの更なる可能性について言及した。これは日本の高齢化に伴い、目の検診の重要性が増していることを根拠とした考え方である。
「現在はスクリーニングとして使われることが多いOCTですが、より多くの施設に普及させるために、価格面での問題があります。その課題に踏み込んでいくことにより、OCTをトレンドとして確立させていきたいと思っています」と小坂氏は語る。田部井氏は「サービスとしての品質を上げるために、ベースがしっかりしていることは1つの約束事です。地盤が固まっていることで、提供するサービスのキャパシティを今後も増やし続けていきたいです」と今後の戦略について想いを語った。