京都大学医学部附属病院で初めて本格的な運用を開始
~コニカミノルタとシスコによる実証実験を経た共同プロジェクトを商用化~
コニカミノルタ(株)(以下コニカミノルタ)とシスコシステムズ合同会社(以下 シスコ)は、共同でソリューション開発したセキュアなクラウドプリントサービスを京都大学医学部附属病院へ導入し、4月より運用を開始。
コニカミノルタとシスコは、京都大学医学部附属病院と共同で、コニカミノルタの「INFO-Palette Cloud(インフォパレット クラウド)」サービスの基本技術を応用した、クラウド型仮想環境※1向けプリントシステムの実証実験を行ってきた。
昨年10月から京都大学医学部附属病院黒田教授の協力の下、数ヶ月にわたり行われた実証実験の結果、安定した運用が可能であると判断し、本年4月から「京都大学医学部附属病院向けクラウドプリントサービス」として本格的に運用開始。
背景と課題
医療の現場でも、研究や患者への説明補助にインターネットの利用が有効だが、情報のセキュリティを確保するため、多くの場合、制限を設けざるを得ない。京都大学医学部附属病院では、院内の電子カルテ端末からインターネット閲覧可能となっているが、電子カルテの安全性確保や患者さんの個人情報保護のため、仮想デスクトップ接続を利用したシステムを構築・運用しているため、院内からのインターネット閲覧は可能なものの、その閲覧情報を印刷することは、システム上出来なかった。このため、患者から説明補助に利用した情報の印刷を求められても手渡すことは出来なかった。※
今回提供するソリューション
同クラウドプリントサービスは、京都大学医学部附属病院のような、ファイアウォール(以下 F/W)に堅固に守られた環境、複雑な仮想環境を経由する環境、あるいは印刷において仮想環境への依存が好ましくないような状況下にて、利用者に安全で簡単な印刷ソリューションを提供。今回のシステムでは以下のような特長を実現した。
・仮想環境とは独立した印刷の専用経路を設ける。(このため、仮想環境のシステムには影響を与えない)
・コニカミノルタの印刷デバイスだけではなく、他の印刷デバイスにも対応可能。
・通常の印刷と同じ手順のため、利用者は特別な操作を意識する必要はない。
・クラウドによる印刷のログの一元管理が可能。
※ 京都大学医学部附属病院では、外来業務中に患者にインターネット上の資料を使って説明などが出来るよう、電子カルテ端末からインターネット閲覧可能となっているが、電子カルテの安全性確保や患者の個人情報保護の観点から、電子カルテとインターネットを分離した仮想環境システムが構築されている。同サービスは、従来難しかった、インターネット閲覧の情報を、患者に手渡すために資料を印刷する目的で利用されている。
同クラウドプリントサービスの今後の展開
コニカミノルタが京都大学医学部附属病院へ提供するサービスは、F/Wに守られた環境下で印刷を実行する専用経路を設けるソリューションだ。このため、BYOD※2に対応するために社内の有線LANと無線LANを分離している利用者など、複雑なネット環境を構築されている利用者に向けた多くの応用例が見込まれている。
またこのプリントサービスをベースにした「セキュアプリントGateWayソリューション」(仮称)として同様の事案に対して安全で簡単かつフレキシブルなソリューションの提案を行い、利用者への規模・要望に合わせたカスタマイズ対応とシステム改良により、さらにより多くの利用者が安心して利用できるサービスの提供を目指す。
シスコは、これまでと同様セキュリティと利便性を両立させる、シンクライアント※3を実現するシステムをパートナー企業と共に提供し、今後VDI※4等普及が進行するに従い、新たな利用法、より高度な課題を想定し、パートナー企業と共に改良に取り組む予定だ。
コニカミノルタ、シスコ両社は、利用者視点で課題を捉え、質の高いサービスを通じて利用者へ新たな価値を提供できるよう、更なる発展を目指しサービスを提供していく。
※1 仮想環境(ここでは、仮想デスクトップ環境のこと)
※2 Bring Your Own Device(個人の情報端末などを持ち込んで業務に利用すること)
※3 シンクライアント(本体にはデータを保存しないセキュアな PC)
※4 Virtual Desktop Infrastructure(仮想デスクトップインフラストラクチャー):サーバーにアクセスして個々のデスクトップPC上で機能させること
●お問い合わせ
コニカミノルタビジネスソリューションズ(株)
TEL:0120-805039
URL:http://www.konicaminolta.jp/