キヤノンメディカルシステムズ、AIを用いて開発したノイズ低減処理「Advanced intelligent Clear-IQ Engine(AiCE)」を搭載したマンモグラフィ装置「Pe・ru・ru DIGITAL」を販売開始 低ノイズ・高画質な画像を提供し、画像診断の精度向上をサポート
キヤノンメディカルシステムズ株式会社(本社:栃木県大田原市、代表取締役社長:瀧口登志夫氏)は、AI技術の一つであるディープラーニングを用いて開発したノイズ低減処理「Advanced intelligent Clear-IQ Engine(AiCE)」を搭載したマンモグラフィ装置「Pe・ru・ru DIGITAL」(以下、「Pe・ru・ru」)を2025年3月12日より販売開始した。
本製品に搭載された「AiCE」は、キヤノン株式会社がデジタルラジオグラフィ用に開発した「Intelligent NR」の技術を応用して当社が開発を行い、従来と比較して最大約50%のノイズ低減を実現しています。さらに「AiCE」に合わせてその他の画像処理を最適化することで、粒状性を抑制しつつ高い鮮鋭性とコントラストを実現する。
マンモグラフィ装置「Pe・ru・ru」にノイズ低減処理ソフトウェア「AiCE」を搭載
乳がんは、日本人女性が罹患するがんとして最も多いがんとなっており、比較的若い世代からの検診による、早期発見・早期治療が推奨されています。当社は、マンモグラフィ検査の負担軽減、そしてより読影に適した質が高い画像を医療現場に提供することにより、人々のQOL向上を支援する。
なお、2025年4月11日(金)~13日(日)にパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催される国際医用画像総合展(ITEM2025)において、本製品の展示を行います。
ディープラーニング技術を用いて開発したノイズ低減処理
これまでのノイズ低減処理は、X線画像における信号の特徴や装置のノイズ特性などから、信号とノイズを分別するための一定のルールを構築するルールベース方式が主流でした。この従来の方式ではノイズ低減性能に限界があり、粒状感の改善を優先すると被写体の信号が不明瞭になるという課題があった。今回開発した「AiCE」は、キヤノン独自の「Intelligent NR」の技術を応用し、ディープラーニング技術を用いたノイズ低減処理であり、当社が長年にわたり蓄積してきたマンモグラフィ臨床画像を用いて、設計段階で機械学習を行い、さまざまな条件でのノイズの特徴を学習する。これにより、従来のノイズ低減処理と比較し、必要な画像信号を維持しながら不要なノイズだけを効率的に除去することが可能になり、鮮鋭化処理などの画像処理についてノイズが強調されてしまう現象が最小限に抑えられ、高い鮮鋭性とコントラストが実現可能となった。「AiCE」を適用することで、診断能の向上や、少ない線量での撮影においてもノイズの少ない診断画像の提供が可能になることが期待される。
「AiCE」を適用したノイズ低減処理画像の例
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