東芝メディカルシステムズ(株)は、12月14日に東京国際フォーラム(東京都千代田区)で「画論 The Best Image2014」を開催した。
粟井和夫 氏(広島大学)
森谷浩史 氏(大原綜合病院)
似鳥俊明 氏(杏林大学)
大野良治 氏(神戸大学)
畠 二郎氏(川崎医科大学)
飯島尋子氏(兵庫医科大学)
瀧口登志夫 氏(代表取締役社長)
受賞の様子
会場の様子
東芝メディカルシステムズ(株)は、12月14日に東京国際フォーラム(東京都千代田区)で「画論 The Best Image2014」を開催した。
同イベントは1993年にスタートして以来、今年で22回目。画像診断技術の発展と医療への貢献を目的として、東芝装置で撮影された臨床画像を臨床的有用性や撮像技術などの面から審査を行う。審査は大きく別けてCT・MR・超音波の3つの部門で行われる。
今回は494件の画像の応募があった。その中から上位入賞した57の施設が出席し、応募画像の発表を行ったうえで最終審査が行われた。上位画像発表・表彰式の前に特別講演が行われた。
第一会場では、粟井和夫氏(広島大学大学院)の座長のもと、森谷浩史氏(大原綜合病院)が「Aquilion ONE 最新のCT臨床動向」を発表した。
講演では呼吸器臨床の観点からAquilion ONEの動態解析CTとしての優位性と最新アプリケーションを紹介した。アプリケーションの1つに挙げたレジストレーション技術について、「進歩が著しく、高精度のサブトラクションが可能になった。肺の領域では単純CTと造影CTをサブトラクションすることで簡便に綺麗な画像結果が得られた。今後もレジストレーション技術は多くの臨床領域に応用されていくだろう」と締めくくった。
次に似鳥俊明氏(杏林大学)が座長を務め、大野良治氏(神戸大学)が「Vantage Titan 3T 最新のMR臨床動向」と題して講演を行った。
同氏は、形態診断や機能診断、分子イメージングについての最新臨床応用と将来展望を説明した。具体的には、腫瘍イメージングにおいての全身MRIの有効性、Calculated DWIやFASEを使った新しいDWI技術の紹介、非造影MRAやCEST imagingの将来性などを発表した。最後にUltra-short TE(UTE-MRI)を使用することで肺野をもCTと同様に薄層MRIでの撮影が可能になったことを発表した。そのうえで「RSNAにおいて胸部におけるMRI撮影の重要性が叫ばれていた。日本では肺野などにMRIを長く使ってきた。今後、欧米に我々の実績を発信していきたい」と語った。
第二会場では、座長畠 二郎氏(川崎医科大学)のもと、「Aplio Platinum Seriesが変える!肝疾患診療の最前線」というテーマで飯島尋子氏(兵庫医科大学)が、登壇した。
同氏は「Elastographyによる肝硬変の診断能は肝生検に匹敵する診断法で、肝硬度は肝細胞癌発癌の最も重要な危険因子の1つである。特に肝硬度と空腹時血糖を組み合わせた診断は発癌予測につながると期待している」と話した。
また「東芝の超音波装置の長所は、1つには連続スキャン時にフレームレートを3段階選択可能な点だ。またフリーズ後に表示モードを3種類切替可能なのも、他社になく使いやすい。3つめはpropagation表示があげられる。これは期待通りせん断波が発生してるかどうかが1枚の静止画で表現でき、画期的でとても便利だ」とした。
同氏はさらに「SMIの有用性は今後の肝腫瘍診断を大きく変えるものとし、ソナゾイド造影などの造影超音波にない流出血管などの血流診断時に大きく有用であり、確定診断につながるものとみている。中でも多血性腫瘍ではSMIのみで確定診断までいけるだろうと大いに期待している」と結んだ。
最後に瀧口登志夫氏(東芝メディカルシステムズ(株) 代表取締役社長)が登壇した。
「画論22年の歴史の中で、数多くの臨床画像、何より臨床現場での努力や熱意に触れた。これらを日々の研究開発活動に生かして、新しい技術、新しい製品に結び付けたいと努力している」と語り、そこから一部の技術を今年のRSNAにおいて展示することができたことを報告した。
その一つがAngio CTシステム「INFINIX 4DCT ANGIO SUITE」。血管撮影装置とCTを組み合わせたIVR-CTだ。同装置は、1992年にこの日本で生まれ、今年のRSNAで満を持して初披露された。
同氏は、「これからの100年に向けて、Made for Lifeのスローガンのもと、より良い技術、製品を世の中に届けていきたいと考えている」と今後の抱負を語った。
同イベントは1993年にスタートして以来、今年で22回目。画像診断技術の発展と医療への貢献を目的として、東芝装置で撮影された臨床画像を臨床的有用性や撮像技術などの面から審査を行う。審査は大きく別けてCT・MR・超音波の3つの部門で行われる。
今回は494件の画像の応募があった。その中から上位入賞した57の施設が出席し、応募画像の発表を行ったうえで最終審査が行われた。上位画像発表・表彰式の前に特別講演が行われた。
第一会場では、粟井和夫氏(広島大学大学院)の座長のもと、森谷浩史氏(大原綜合病院)が「Aquilion ONE 最新のCT臨床動向」を発表した。
講演では呼吸器臨床の観点からAquilion ONEの動態解析CTとしての優位性と最新アプリケーションを紹介した。アプリケーションの1つに挙げたレジストレーション技術について、「進歩が著しく、高精度のサブトラクションが可能になった。肺の領域では単純CTと造影CTをサブトラクションすることで簡便に綺麗な画像結果が得られた。今後もレジストレーション技術は多くの臨床領域に応用されていくだろう」と締めくくった。
次に似鳥俊明氏(杏林大学)が座長を務め、大野良治氏(神戸大学)が「Vantage Titan 3T 最新のMR臨床動向」と題して講演を行った。
同氏は、形態診断や機能診断、分子イメージングについての最新臨床応用と将来展望を説明した。具体的には、腫瘍イメージングにおいての全身MRIの有効性、Calculated DWIやFASEを使った新しいDWI技術の紹介、非造影MRAやCEST imagingの将来性などを発表した。最後にUltra-short TE(UTE-MRI)を使用することで肺野をもCTと同様に薄層MRIでの撮影が可能になったことを発表した。そのうえで「RSNAにおいて胸部におけるMRI撮影の重要性が叫ばれていた。日本では肺野などにMRIを長く使ってきた。今後、欧米に我々の実績を発信していきたい」と語った。
第二会場では、座長畠 二郎氏(川崎医科大学)のもと、「Aplio Platinum Seriesが変える!肝疾患診療の最前線」というテーマで飯島尋子氏(兵庫医科大学)が、登壇した。
同氏は「Elastographyによる肝硬変の診断能は肝生検に匹敵する診断法で、肝硬度は肝細胞癌発癌の最も重要な危険因子の1つである。特に肝硬度と空腹時血糖を組み合わせた診断は発癌予測につながると期待している」と話した。
また「東芝の超音波装置の長所は、1つには連続スキャン時にフレームレートを3段階選択可能な点だ。またフリーズ後に表示モードを3種類切替可能なのも、他社になく使いやすい。3つめはpropagation表示があげられる。これは期待通りせん断波が発生してるかどうかが1枚の静止画で表現でき、画期的でとても便利だ」とした。
同氏はさらに「SMIの有用性は今後の肝腫瘍診断を大きく変えるものとし、ソナゾイド造影などの造影超音波にない流出血管などの血流診断時に大きく有用であり、確定診断につながるものとみている。中でも多血性腫瘍ではSMIのみで確定診断までいけるだろうと大いに期待している」と結んだ。
最後に瀧口登志夫氏(東芝メディカルシステムズ(株) 代表取締役社長)が登壇した。
「画論22年の歴史の中で、数多くの臨床画像、何より臨床現場での努力や熱意に触れた。これらを日々の研究開発活動に生かして、新しい技術、新しい製品に結び付けたいと努力している」と語り、そこから一部の技術を今年のRSNAにおいて展示することができたことを報告した。
その一つがAngio CTシステム「INFINIX 4DCT ANGIO SUITE」。血管撮影装置とCTを組み合わせたIVR-CTだ。同装置は、1992年にこの日本で生まれ、今年のRSNAで満を持して初披露された。
同氏は、「これからの100年に向けて、Made for Lifeのスローガンのもと、より良い技術、製品を世の中に届けていきたいと考えている」と今後の抱負を語った。
表1 CT部門
1~32列部門 | 【最優秀賞】 | 医療法人財団報徳会西湘病院 | 頭蓋内類上皮腫 |
---|---|---|
【テクニカル賞】 | 社会医療法人杏嶺会一宮西病院 | 左下葉腫瘤 |
【優秀賞】 | 松戸市立福祉医療センター東松戸病院 | 石灰化を伴った両側腎動脈瘤 |
64~160列部門 | ||
【最優秀賞】 | 医療法人慈愛会梶浦病院 | 胸腺腫 |
【テクニカル賞】 | 社会医療法人北海道恵愛会札幌南三条病院 | 肺動静脈分離3D画像(右下葉肺がん) |
【優秀賞】 | 社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス海老名総合病院 | 鼓膜穿孔(左) |
JA岐阜厚生連揖斐厚生病院 | 座位における肘関節骨折の撮像 | |
自治医科大学附属さいたま医療センター | 原発性アルドステロン症疑い | |
岩手医科大学附属病院 | 左尿管癌(膀胱内浸潤) | |
64~160列(心血管)部門 | ||
【テクニカル賞】 | 社会医療法人社団カレスサッポロ北光記念病院 | 狭心症疑い |
【優秀賞】 | 公益社団法人地域医療振興協会横須賀市立市民病院 | 下肢静脈瘤 |
特定医療法人神戸健康共和会東神戸病院 | 術前3D-CT Angiographyが有用であった胃癌症例 | |
Aquilion ONE部門 | ||
【最優秀賞・テクニカル賞】 | 地方独立行政法人佐賀県医療センター好生館 | 破裂頭蓋頸椎移行部硬膜動静脈瘻 |
【優秀賞・テクニカル賞】 | 磐田市立総合病院 | 左中大脳動脈瘤クリッピング術後 |
【優秀賞】 | 医療法人社団清風会五日市記念病院 | 未破裂右内頸動脈瘤の術前 |
社会福祉法人函館厚生院函館中央病院 | 脊椎破裂骨折 | |
慶應義塾大学医学部 | 下腹壁動脈穿通枝皮弁を用いた乳房再建術の術前計画CT | |
横須賀市立うわまち病院 | 人工骨頭挿入後の直腸癌患者に対するチルトヘリカルの有用性 | |
Aquilion ONE(心血管)部門 | ||
【最優秀賞・テクニカル賞】 | 公立大学法人和歌山県立医科大学 | 第4指固有掌側指動脈部動静脈奇形および総掌側指動脈瘤 |
【最優秀賞】 | 一般財団法人厚生会仙台厚生病院 | ステントを伴う高度石灰化に対する変則subtraction CTA |
【優秀賞】 | 一般財団法人厚生会仙台厚生病院 | VSPに対するAmplatzer Septal Occluder留置術前CT |
社会福祉法人函館厚生院函館五稜郭病院 | 肺腫瘤性病変 |
表2 MR部門
1.5テスラ以下MR部門 | ||
---|---|---|
【最優秀賞】 | 医療法人顕正会蓮田病院 | 下肢ASO |
【最優秀技術賞】 | 金沢医科大学病院 | HCC肝細胞相呼吸同期撮像(90°プリパルス併用呼吸同期Quick3Ds) |
【優秀賞】 | 医療法人社団三喜会横浜新緑総合病院 | DWI-PWIミスマッチ |
医療法人社団千栄会高瀬クリニック | 早期血栓による冠動脈MRA閉塞の偽陰性所見 | |
医療法人社団千栄会高瀬クリニック | 非造影MRAによる心臓・胸部大動脈同時評価 | |
医療法人社団CVIC心臓画像クリニック飯田橋 | MRIによる心臓周囲脂肪測定およびOMIによるものと思われる左室心筋内脂肪変性の描出 | |
日本赤十字社岐阜赤十字病院 | 骨盤臓器脱 | |
社会福祉法人恩賜財団済生会千葉県済生会習志野病院 | 副腎腫瘍(原発性アルドステロン症)術前検査 | |
社会福祉法人恩賜財団済生会千葉県済生会習志野病院 | 脊柱管狭窄症術後 | |
学校法人順天堂大学医学部附属浦安病院 | 生後1ヵ月乳児の髄膜瘤meningocele | |
3テスラMR部門 | ||
【最優秀賞】 | 自治医科大学附属さいたま医療センター | 肺動静脈奇形コイル塞栓後再疎通疑い |
【最優秀技術賞】 | 医療法人住友別子病院 | 乳房再建術深下腹壁穿通枝皮弁法 |
【優秀賞】 | 社会医療法人共愛会戸畑共立病院 | 右小脳静脈性血管腫 |
社会福祉法人北海道社会事業協会帯広病院 | 骨盤静脈瘤の血行動態解析 | |
社会医療法人社団慈生会等潤病院 | 神経鞘腫 |
表3 超音波部門
血管部門 | ||
---|---|---|
【最優秀賞】 | 東邦大学医療センター大橋病院 | 腹腔内出血 |
【特別賞】 | 公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院 | EVAR後のType5エンドリーク |
【優秀賞】 | 東邦大学医療センター大橋病院 | 左前腕部外傷性仮性動脈瘤 |
兵庫県立尼崎病院 | 左内頸静脈血栓 | |
医療法人社団聖嶺会立川記念病院 | カラーMmode法による下肢静脈瘤評価法 | |
心臓部門 | ||
【最優秀賞】 | 山口大学医学部附属病院 | Loffler’s endocarditis |
【優秀賞】 | 京都大学医学部附属病院 | 診断に苦慮したtraumatic TRの1症例 |
独立行政法人労働者健康福祉機構大阪労災病院 | 心室中隔解離を伴ったたこつぼ型心筋症 | |
国立循環器病研究センター | 成人左冠動脈肺動脈起始(BWG症候群) | |
医療法人医仁会武田総合病院 | Loffler’s endocarditis | |
表在部門 | ||
【最優秀賞】 | 地方独立行政法人りんくう総合医療センター | 乳腺 髄様癌 |
【特別賞】 | 東邦大学医療センター大森病院 | ソナゾイド造影超音波で明瞭に病変を捉えられた乳癌の一症例 |
【優秀賞】 | 東京大学大学院医学系研究科 | 仙骨部にポケットを形成した褥瘡 |
社会医療法人天神会新古賀病院 | 左精索捻転の一例 | |
帝京大学医学部附属病院 | 採血による肘部正中神経損傷 | |
腹部部門 | ||
【最優秀賞】 | 藤枝市立総合病院 | 限局性結節性過形成(Focal Nodular Hyperplasia) |
【特別賞】 | 神戸大学医学部附属病院 | 術中超音波胆道造影が有用であった肝門部胆管癌の1例 |
【優秀賞】 | JA秋田厚生連秋田厚生医療センター | 胃GISTの肝転移巣破裂 |
医療法人豊田会刈谷豊田総合病院 | 超音波での治療過程の観察が有用であった深堀り胃潰瘍の一例 | |
東邦大学医療センター大森病院 | 胆嚢(仮性)動脈瘤 |
表4 審査員
【CT部門】 | |
---|---|
興梠征典氏 | 産業医科大学放射線科学教室教授 |
粟井和夫氏 | 広島大学大学院医歯薬保健学研究院応用生命科学部門放射線診断学教授 |
吉岡邦浩氏 | 岩手医科大学医学部放射線医学講座教授 |
陣崎雅弘氏 | 慶應義塾大学医学部放射線科学教室教授 |
辻岡勝美氏 | 藤田保健衛生大学医療科学部放射線学科准教授 |
吉川秀司氏 | 大阪医科大学附属病院中央放射線部主任 |
山口隆義氏 | 独立行政法人地域医療機能推進機構JCHO北海道病院放射線部副技師長 |
【MR部門】 | |
似鳥俊明氏 | 杏林大学医学部放射線医学教室教授 |
大友 邦氏 | 東京大学大学院医学系研究科放射線診断学教授 |
扇 和之氏 | 日本赤十字社医療センター放射線診断科部長 |
小林邦典氏 | 杏林大学保健学部診療放射線技術学科教授 |
川光秀昭氏 | 神戸大学医学部附属病院医療技術部部長放射線部門技師長 |
和田博文氏 | 社会福祉法人恩賜財団済生会熊本病院中央放射線部技師長 |
【超音波部門】 | |
吉川純一氏 | 西宮渡辺心臓・血管センター最高顧問 |
竹中 克氏 | 日本大学板橋病院循環器内科/東京大学医学部附属病院検査部 |
遠田栄一氏 | 社会福祉法人三井記念病院検査部部長 |
松尾 汎氏 | 医療法人松尾クリニック・松尾血管超音波研究室室長 |
平井都始子氏 | 奈良県立医科大学中央内視鏡・超音波部准教授 |
水口安則氏 | 独立行政法人国立がん研究センター中央病院放射線診断科超音波診断医長 |
金田 智氏 | 東京都済生会中央病院放射線科部長 |
畠 二郎氏 | 川崎医科大学検査診断学内視鏡超音波部門教授 |