第45回日本放射線技術学会秋季学術大会 参加レポート

2017.11.14

「第45回日本放射線技術学会秋季学術大会 参加レポート」を中根 淳先生(埼玉医科大学総合医療センター中央放射線部)にご寄稿頂きました!

広島国際展示場

 平成29年10月20〜21日に広島国際会議場で開催された公益社団法人日本放射線技術学会の第45回日本放射線技術学会秋期学術大会に研究発表を兼ねて参加した。大型の台風が接近しているという中、最終日の昼までは雨に降られることはなく、どの会場も大盛況で、立ち見が出るほどであった。今回の学会は大会テーマ「医療安全を科学する」ということで、医療安全に関するシンポジウムやテーマ発表が多く見受けられた。
 

「医療安全を科学する」というテーマ
 20日にメインホールで行われた式典では、本大会の上田大会長、日本放射線技術学会(JSRT)の小倉代表理事、外賓として招かれていた日本診療放射線技師会(JART)の中澤会長、日本医学物理学会の斉藤会長から挨拶があった。
 上田大会長は、「医療安全を科学する」というテーマを掲げた想いに関して話をされた。上田大会長は、病院では技師長という立場のため、医療安全を考える機会が多く、会員の中でも、もしかすると、学術的なことを考えるより、医療安全のことを考える方も多いのではないかと考えていた。このように、日々の診療の中で多くの時間を費やしている医療安全の分野に関して、学術(論文化)が成立するのか疑問であったため、この学会を通じて活発な議論をしてもらう機会にして欲しい想いがあり、大会テーマに掲げたとのことであった。小倉代表理事は、放射線分野の学会が広島の地で行われることは特別な意味があることを強調していた。今回は、The 3rd International Conference on Radiological Science and Technologyも同時開催したので、海外からの参加者も多く、広島を体感してもらい、改めて放射線技術を医療や平和利用に活用して欲しいとのことであった。今後の学会の動向として、国際化には更に力を入れ、2019年には英語論文誌impact factor取得に向けて、準備を行っていることが報告された。今回の学会にて、Taiwan Society of Radiological technologists(TWSRT)のクオ会長を招き、学術調停式が行われた。このような学術協定が結ばれることで、日本国内だけではなく、より広い視野で研究が議論され、多くの意見を取り入れることができることと、JSRTからTWSRTへの学会参加が促進され、会員の英語に対する能力の向上も期待できるのではないかとのことであった。JART中澤会長からは、平成27年4月に診療放射線技師の業務拡大し、それに伴う統一講習会が平成32年3月まで行う予定であり、対象の診療放射線技師全てが受講しないと、次の新たな業務拡大へは進むことが難しくなるので、受講促進に関することと、第193回通常国会に柔道整復師法の一部改正に関して議案が提出され、この改正案では、放射線関連3科目履修により放射線を照射できるという内容であるので、JARTとしては反対を表明していることの説明がされた。また、私達の診療放射線技師の資格を守るためには行動することが重要であり、ご協力のお願いに関する話をされた。最後には、本学術大会が終了した翌日に行われる第48回衆議院選挙で中国ブロックから自由民主党公認であぜもとしょうご氏が立候補している。可能な範囲でご支援をもらいたいとのことであった。

 

★続きはRadFan2017年12月号にてご覧ください!