株式会社ドクターバンク(本社:大阪市中央区/代表:影山広行氏)は、遠隔画像診断システム「画像診断ラウンジ」をリリースし、本格的にサービスを開始した。本システムの特徴は”完全都度払い”であること。遠隔画像診断システムを利用するには高額な固定費が必要となるが、本システムは、必要なときにだけ依頼できる”完全都度払い制”としている。読影するのは年間1万件以上の症例を見てきた放射線診断医。より多くの症例を集めることで、さらなる読影技術の向上に繋げていきたいと考えている。難しい症例を集めて読影技術を向上し、医療の発展に役立てたい。今後はシステムの商品化も予定。
現役放射線診断医が遠隔画像診断システムを開発した理由
遠隔画像診断とは、病院やクリニックなどの医療機関で撮影されたCTやMRIなどの画像を、インターネットなどを利用して遠隔地にいる放射線診断医に送り、診断することである。本システムを開発した影山広行氏は、遠隔画像診断の黎明期である2003年以降、20年以上にわたって携わってきた。年間1万件以上の症例を見てきた一方で、近年は自身の技術の進歩が頭打ちになったことを感じている。技術の向上のためにはより多くの症例を集めたいと考え、自ら遠隔画像診断システムを開発するに至った。
「画像診断ラウンジ」の特徴
1.完全都度払い制であること
通常、遠隔画像診断システムを利用する場合は、高額な固定費を払ったり、専用の機材を購入したりする必要がある。これでは「必要なときにだけ依頼したい」という病院やクリニックのニーズに合致しない。そんな課題を解決すべく、完全都度払い制を導入した。これにより難しい症例や正確な診断が必要な症例のみ依頼することができる。
2.秘匿性が高いこと
「画像診断ラウンジ」は、すべての医療情報、画像は影山広行氏のみが閲覧し、決して他者の目に触れることはない。加えてセキュリティの高いシステムを導入していることで、情報漏洩のリスクが低く、秘匿性が高いことが特徴である。同じ病院の医師に知られずにセカンドオピニオンを得たい、示談訴訟対策の画像診断報告書が欲しい、しっかり秘密も守って研究を手伝ってほしい、などのニーズに応えることができる。
3.画像だけでなく、動画での提供もできること
他社の遠隔画像システムの場合、診断結果はレポート(文字情報)とキー画像(送信画像のjpgなど)での提供と、せいぜい直交MPRが作成されるのみであった。「画像診断ラウンジ」はraw dataのまま送信可能で、キー画像も送信された画像だけでなく、動画(mp4など)、三次元画像(VR,MIPなど)、再構成画像(直交およびcurved MPR)などの提供もできるため、診断により役立てることができる。DICOM viewerはOsirixMD(Macのみ)を使用しており、多くのポストプロセス画像をキー画像として提供可能となっている。
4.同時にCT,MRI,PET-CTなどを依頼すると料金が安くなる、診断精度が上がること
従来の遠隔画像診断の場合、同一患者の異なる検査では、読影医が異なる場合があり、結果に一貫性がないことも多く、料金も別々に請求され割高だった。「画像診断ラウンジ」では、CT,MRI,PET-CTなどを同時に依頼することで料金が加速度的に割安になる。それぞれの画像を参照して総合的に診断するので、診断精度の向上にも繋がる。
難しい、珍しい症例を積極的に集め、医療の発展に役立てたい
「画像診断ラウンジ」では、診断が難しい、珍しい症例を積極的に集めたいと考えている。そのような症例の診断数を増やすことで、自身の読影技術が向上するだけでなく、医療の発展にも繋がると考えているからである。また、完全都度払いを導入することで、遠隔画像診断のコストやハードルが下がることは、病院やクリニックだけでなく患者にもメリットがあると考え、今回のリリースに至った。
今後は遠隔画像診断システムを商品化予定 出資者や協力者を募集中
株式会社ドクターバンクでは、本システムを他の放射線診断医にも使ってもらえるよう、商品化を進めているところである。本システムに関しての特許も取得した(特許第7440695号、遠隔画像診断総合支援装置、遠隔画像診断総合支援方法およびプログラム)。商品化にはまだブラッシュアップが必要な段階であり、ビジョンに共感し、本システムに出資していただける企業・個人の方を募集している。
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