震災がれき受け入れ表明と“鎮守の森”構想
佐賀県武雄市長
樋渡啓祐
2011年3月11日に東日本大震災が発生し、佐賀県内で武雄市が被災者受け入れをいち早く表明したことから、佐賀県知事特使として3月22日に福島県を訪れた。5月には宮城県でボランティアを行い、山のように積まれたがれきを目の当たりにし、また被災地の市民から「がれきを何とかしてほしい」との声を聞いたことから、オールジャパンでこの局面に対応するべきだと考え、2011年11月に武雄市での震災がれき受け入れを表明した。しかしながら、がれき受け入れを認めないとする人々による反発が相次ぎ、一旦受け入れの先送りをし、その後再提案を行った。最終的に、2012年8月に出された国の「東日本大震災に係る災害廃棄物の処理工程表」を受け、佐賀県知事が佐賀県での具体的な受け入れ手続きを進めないと発表したことから、がれき受け入れについては旗を下ろすこととした。がれき対策だけではなく、震災対策、そして東日本大震災を風化させない“見える化”を目的として、がれきを埋めた土地に植林する“鎮守の森”を作っていけば良いのではないだろうか。また、原発に代わる再生可能エネルギーを産業化することが、今後の日本には必要であると考える。