*1独立行政法人国立長寿医療研究センター脳機能診療部第一脳機能診療科医長、
*2同脳機能画像診断開発部分子画像開発室室長
新畑 豊*1、加藤隆司*2
要旨
パーキンソン病の診断は一般には、臨床症状と経過に基づいてなされる。しかしながら、他のパーキンソニズムを呈する疾患と鑑別が困難な場合、神経系の変性や機能変化を生体の上で情報をもたらすことが可能な核医学診断は有力な武器となる。ドパミン神経系の変化の評価と脳血流・ブドウ糖代謝の評価を組み合わせることにより、病態をより明らかにすることが可能である。MIBG心筋シンチグラムの取り込み低下は、心臓交感神経の変性を評価し、パーキンソン病を積極的に診断するためにも有効と考えられている。