東芝製X線血管撮影装置バイプレーンシステムInfinix CeleveTM-i INFX―8000Vの使用経験被ばく低減への取り組みと被ばく管理

2015.10.31

東芝製X線血管撮影装置バイプレーンシステムInfinix CeleveTM-i INFX―8000Vの使用経験被ばく低減への取り組みと被ばく管理
 

長谷川秀一朗
厚木市立病院放射線技術科
 
 
血管撮影領域においてInterventional Radiology(以下IVR)の技術進歩に伴い治療成績は向上している。その一方でX線透視が必須であるIVRは被ばくのリスクを内包しており、手技の複雑化による透視時間の増加はそのまま被ばくリスクの増加へと繋がる。IVRにおいて最も頻度の高い障害は皮膚障害であり、確定的影響であるためしきい値が存在し線量に依存して重篤となるので被ばくの低減が重要である。
近年では被ばく低減はもとより、患者個々の放射線被ばくに対するリスクの把握が求められており、そのためには皮膚線量の測定と管理、評価が必要となる。従来の血管撮影装置における被ばく低減機能は種々のフィルタや
可変フレームレート、FPD搭載による高感度化など充実しつつある。しかし患者の被ばく線量の測定においては総線量を反映する面積線量計によるものが多く、患者個々の被ばくリスクの管理法として満足のいくものではなかった。
しかしINFX-8000Vには「スポット透視機能」等の被ばく低減機能のみならず、被ばく線量管理の個別化、リアルタイム化が可能となる「DTS」が搭載されている。
本稿ではINFX-8000Vの「スポット透視」と「DTS」の使用経験と共に臨床におけるDTSの精度についての評価を行ったので報告する。
 
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