臨床診断における Elastographyの役割

2016.11.29

臨床診断におけるElastographyの役割
*1東邦大学医療センター大森病院消化器内科、 *2同臨床生理機能検査部
松清 靖*1、 小林康次郎*1、 荻野 悠*1、 松井哲平*1、 塩沢一恵*1
和久井紀貴*1、 池原 孝*1、 中野 茂*1、 篠原正夫*1、 永井英成*1
渡辺 学*1、 住野泰清*1、 工藤岳秀*2、 丸山憲一*2

 非硬変性の門脈圧亢進症の診断に、線維化診断で用いられるエラストグラフィが寄与した症例を経験したので
報告する。症例1はアルコール性肝硬変に伴う腹水、脾腫と診断されていた。症例2は大腸癌術後に食道静脈瘤を
認め、症例3では肝硬変に伴う食道静脈瘤の治療目的で紹介された。いずれの症例も肝硬変に伴う門脈圧亢進症
を疑われていたが、それぞれのVTQは1.4、1.3、1.35m/sと低値であり、精査の結果、症例1と3が特発性門脈圧
亢進症、症例2が類洞閉塞症候群と診断された。エラストグラフィで得られる肝臓の硬さ情報の有用性を示唆する
貴重な症例と考え報告する。
 Most of patients with portal hypertension are caused by liver cirrhosis. The elastography is useful of
the diagnosing fibrosis stages.Vs value of liver cirrhosis shows high level. We experienced three cases
of portal hypertension without liver cirrhosis. Vs value of these cases showed low levels and we were
able to be diagnosed by the elastography. We expect that elastography is spread as a means of
important clinical information.

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