2024年2月21日— アボットジャパン合同会社(本社:東京都港区、代表執行役員社長:武知秀幸、以下「アボット」)と国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(本部:千葉県千葉市、理事長:小安重夫、以下「QST」)は、アボットの総合研究所(千葉県松戸市)にNeurology Hub(神経疾患バイオマーカー開発拠点)が新設されたことを受け、認知症など神経変性疾患を計測することができる血液診断バイオマーカーの共同研究開発を加速することで合意したと発表した。
認知症は特定の病気ではなく、記憶力、思考力、意思決定力が低下し、日常生活に支障をきたす病気の総称だ。内閣府の情報によると、2012年の日本の65歳以上の認知症高齢者数は462万人で、65歳以上の約7人に1人(有病率15.0%)となっており、2025年には約5人に1人になると推計されている。また、日本WHO協会の情報によると、世界では5,500万人以上が認知症を患っており、毎年1,000万人近くの新規患者が出ているとされています。現在、日本を含む世界の高齢化社会において、認知症を早期かつ正確に検出するための血液診断バイオマーカーの開発が急務となっている。
アボットとQSTは、過去3年間、血液診断用バイオマーカーと測定技術の研究開発に共同で取り組んできたが、今後はアボットのNeurology Hub で現在利用可能なリソースを使用して、認知症などの神経変性疾患を検出するための血液ベースの診断テストの迅速な導入を目指していく。
アボットのNeurology Hubは、同総合研究所のこれまでの血液バイオマーカー研究分野における注目すべき成果に基づいて開設されたもので、神経疾患に関連するバイオマーカー開発のために同社が米国外およびアジア太平洋地域において開設した初の研究ハブとなりましたと語る。
今回の発表についてQSTの脳機能イメージング研究部部長の樋口真人は、「今回、アボットがNeurology Hubを松戸市の総合研究所内に新設されたことは、弊機構にとっても大きな喜びです。QSTはこれまで脳疾患の画像診断技術開発に関する豊富な実績とノウハウがあり、画像をお手本に血液診断バイオマーカーも開発できることを強みとしてきました。アボットとの連携では、この強みを生かすと同時に、同社の世界中の検査室のネットワークと繋がるハブ機能を最大限活用しながら、血液診断バイオマーカーの実用化に向けた共同研究を加速してまいります」と述べている。
また、アボットの総合研究所長の吉村徹は、「日本の脳疾患バイオマーカーの分野で研究開発をリードするQSTと認知症など神経変性疾患向け血液診断バイオマーカーの実用化に向けた共同研究開発の加速について合意できたことを大変うれしく思います。今後もQSTと密接に協力しながら、アボットのグローバルネットワークもフルに活用し、同血液診断バイオマーカーの実用化に一層邁進してまいります」と述べている。
本日、アボットの総合研究所内のNeurology Hubが稼働開始することを祝い、テープカットセレモニーが同研究所にて午前10時半より開催された。同セレモニーには、アボットを代表して総合研究所長の吉村徹、QSTを代表して徳田隆彦医長が参加した。
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