島津メディカルシステムズ、産科・新生児領域での取り組みを強化、モバイル胎児モニター「分娩監視装置 iCTG」などを発売

2024.02.29

 

モバイル胎児モニター「分泌監視装置 iCTG」

 島津製作所の医用機器販売子会社である株式会社島津メディカルシステムズは、モバイル胎児モニター「分娩監視装置 iCTG(アイシーティージー、以下iCTG)」および「分娩監視セントラルシステムCentral i(セントラルアイ、以下Central i)」(いずれも株式会社メロディ・インターナショナル製)の国内での販売を開始する。「iCTG」は、妊婦の腹部に装着することで遠隔地から胎児の心拍と妊婦のお腹の張りをモニタリングできる製品だ。軽量・小型のウェアラブル機器なので、医療機関だけでなく外出先や自宅でも使うことができる。「Central i」は、複数のiCTGの計測データをクラウド経由でリアルタイム表示するセントラルモニタリング用ソフトウェアだ。島津メディカルシステムズは、2022年8月から「iCTG」を試験的に取り扱ってきた。このたび「Central i」の医療機器認証取得に伴い、2024年2月より両製品を本格的に販売開始する予定だ。

 近年、産科の人手不足や産科施設の減少は深刻な社会課題だ。地方での出産を維持することが難しくなり出産空白地域が日本中で生まれている。両製品の利用により、妊婦・胎児の生体情報を専門医が「いつでも、どこでも」モニターできるプラットフォームが構築可能だ。地域全体での妊婦の見守りだけでなく、在宅や救急搬送中の妊婦モニタリングなど様々な活用法が見込まれる。なお、両製品を利用したプラットフォームは、厚生労働省の「ICTを活用した産科医師不足地域に対する妊産婦モニタリング支援事業」における公費補助の対象にもなっている。

 島津製作所とメロディ・インターナショナルは、2022年6月から京都大学・熊本大学とともに「妊娠うつ・産後うつの発症・重症化を防ぐための兆候を検知する技術」を研究しており、2025年にメロディによるサービス提供を目指している。「iCTG」と島津製の心電デバイスを組み合わせ、妊産婦が抱える課題解決に努めていくと語る。

 同社は、乳がん検査に使用されるTOF-PET装置「BresTome」や、婦人科の卵管検査にも用いられるX線画像診断装置を製造・販売してる。また、島津グループの臨床事業における製造・販売子会社である株式会社島津ダイアグノスティクスは、妊婦から乳児へのB群レンサ球菌(GBS)の感染を防ぐ検査キット「B群レンサ球菌選択増菌・鑑別用培地 Strep B Carrot Broth」や新生児の血液から希少疾患の発症可能性を調べていち早く投薬・治療の機会を提供するスクリーニング検査用途のPCR試薬キット「TKSneoFinder」を販売してる。当社グループは、これらを含む「フェムテック」(女性の抱える課題を解決する技術)などを通じて「妊産婦・新生児の健康」に貢献していくと語る。

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株式会社島津メディカルシステムズ

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