島津製作所と東北大学、「超硫黄生命科学共創研究所」を設置

2024.03.25

 株式会社島津製作所(代表取締役社長 山本靖則氏)と国立大学法人東北大学(理事 植田拓郎氏)が、東北大学(宮城県仙台市)に「島津製作所×東北大学 超硫黄生命科学共創研究所」を設置することを発表した。2024年4月から3年間に渡って共同研究に取り組んでいく。

 山口 亮氏(島津製作所分析計測事業部)と赤池孝章氏(東北大学大学院医学系研究科)は「このたび設立する共創研究所では、超硫黄分子分析技術の対象成分拡充、超硫黄分子に基づくたんぱく質酸化解析に対する技術開発、超硫黄分子解析への質量イメージング技術の可能性検証を目的としている」と説明。高い抗酸化作用を持つ超硫黄分子の特性解明を目指し、超硫黄分子を一斉に分析する手法の開発、島津製のイメージング質量顕微鏡「iMScope」を用いて観察などに取り組む。

 超硫黄分子とは血液や臓器内に存在するアミノ酸などの有機化合物に硫黄が結合された物質の総称であり、強力な抗酸化作用を持ち、活性酸素の働きをコントロールすると考えられている。超硫黄分子の代謝メカニズムを解明することで新たな臨床、創薬、診断、予防、治療法の確立や機能性食品の開発への応用が期待されている。

 東北大学にある多数の検体などの資源を最大限活用することにより、新しい価値創造につなげることが可能となる。

 島津製作所は、LCMSでの超硫黄分子分析の手法を検討や、イメージング質量検部強を用いた超硫黄分子の生体内分布の解析に対する技術サポートを行っていく。島津製作所の知識と技術を使うことにより、定量的で比較的安価な技術開発が可能となる。

 今後、島津製作所と東北大学は、今までなかったような優れた抗酸化物質の開発と超硫黄分子のより効率的な分析手法の開発を進め、健康長寿社会の実現への貢献を目指す。

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