社会医療法人柏葉会と、シーメンスヘルスケアが共同記者発表会を開催~「SMART OR・SMART ER」の実現するためパートナーシップを締結~

2024.06.14

 社会医療法人柏葉会(北海道札幌市 以下柏葉会)とシーメンスヘルスケア株式会社(東京都品川区 以下シーメンス)が、6月12日「SMART OR・SMART ER」の実現と、新病院の建設にあたりパートナーシップの締結共同記者発表会を開催した。さらに、新病院のコンセプトのキーワード「SMART(Seamless Multi Access for Reliable Treatment)」を中心に据えたプロジェクトを発表した。

櫻井悟郎氏

 初めに、櫻井悟郎氏(同社 代表取締役)は、「シーメンスは医療分野におけるパイオニアとして、医療機関のニーズに応じた解決策を提供している。今回のパートナーシップ締結もその一環であり、特に脳神経外科領域での治療を強化することを目指している。シーメンスの事業領域は、イメージングやダイアグノスティックス、放射線治療など多岐にわたり、CTやMRI、超音波装置、AIを活用した画像診断支援ソフトウェアなどを提供し、より良い医療を実現するための技術を提供している。また、サービスやパートナーシップを通じて、医療機関の運営効率化や医療アクセスの向上にも取り組んでいる。さらに、北海道大学との連携も視野に入れた研究用途の装置も導入しており、地域医療の発展にも貢献する計画である」と述べた。

寺坂俊介氏
中山若樹氏

 続いて寺坂俊介氏(柏葉会 理事長・院長)は、「でもできる」から「だからできる」への転換を掲げている。BMI、ロボット、VRの3つを組み合わせたリハビリや、先端医療研究センターの創設によるMRIを用いた脳機能解析など、札幌柏葉会病院だからこそできる医療サービスと神経科学の拠点病院を目指すと述べた。
 さらに中山若樹氏(同法人 常務理事・副院長・高度脳血管病センター長)は、今回の新病院設立プロジェクトにおいて、SMART OR(3室ある手術室のうち、主たる2つの手術室の間の壁中にCT装置が格納されており、CT装置が双方の手術室内に移動して術中CT撮影が可能となる効率的な設計)と、SMART ER(CT装置や血管造影装置、MRI装置も配置)を駆使した、シームレスに緊急性の高い治療を進められるための病院設計を行ったと語った。同院のSMART ORには多軸透視・撮影システム「ARTIS pheno」と64列マルチスライスCT装置「SOMATOM Confidence」を、SMART ERには脳血管治療用血管撮影装置「ARTIS icono D-Spin」とMRI装置「MAGNETOM Cima.X」を導入予定である。

宇根田宏徳氏

 最後に宇根田宏徳氏(同社 ダイアグノスティックイメージング事業本部 MR事業部 事業部長)は、MAGNETOM Cima.Xについて説明をした。本製品は「Make the difference」という力強いキーメッセージとともに開発された。脳神経領域においてMRI、モダリティ、ソフトウェアといった先進技術を積極的に製品に取り込むことによって、原因不明な疾患に対してアプローチをしていきたいという。

 記者会見は、柏葉会とシーメンスの新たなパートナーシップの一環として開催され、両者が共に進めてきたプロジェクトの成果を発表する場となった。この取り組みにより、医療の質の向上と地域医療の発展が期待される。