キヤノンメディカルシステムズ、デジタルPET-CT「Cartesion Prime / Luminous Edition」の検出器性能が向上信号処理回路の改良により238ピコ秒のTOF時間分解能を実現
キヤノンメディカルシステムズ株式会社(本社︓栃木県大田原市、社長︓瀧口登志夫氏)は、2023年4月に販売開始したデジタル PET-CT「Cartesion Prime / Luminous Edition(カーテシオン プライム ルミナス エディション)」において、検出器内部の信号処理回路を改良することで、238ピコ秒のTime-of-Flight(TOF)時間分解能を実現した。当社は、今回の改良で検出器性能が向上した「Cartesion Prime / Luminous Edition」を、11月5日より国内で販売開始する。
少子高齢化が急速に進む日本において、がんの早期発見や治療効果判定に使用されるPET検査は、2002年に保険適用が開始されて以降急速に普及している。近年では、診断(Diagnostics)と治療(Therapy)を組み合わせたTheranosticsという新たな領域の研究が進められており、核医学領域は新たなフェーズに移行しつつある。一方で、厳しい医療経済の中でいかに患者様一人ひとりにあった医療を提供していくかは大きな課題であり、PET-CT装置にも幅広いニーズが高まっている。
「Cartesion Prime / Luminous Edition」は、発光量や時間分解能に優れるLYSOシンチレータと、高速処理が可能なSiPM素子を1:1カップリングで100%接合した独自のPET検出器を搭載している。開発初期から装置改良を続け、この度、検出器内部の信号処理回路を改良したことにより、TOF時間分解能が263ピコ秒から238ピコ秒(typical)に向上した。これに伴い、130cps/kBqの実効感度を達成した(被写体直径35cm)。また、TOFの位置推定精度は3.6cmを実現し、集積の形態情報をより精度よく推定することが可能となった。
「Cartesion Prime / Luminous Edition」は、当検出器を体軸方向27 cmにわたって配列し、優れた実効感度によって、高品質な画像の出力を実現している。また、当社独自のディープラーニング技術を用いた画像再構成技術Advanced intelligent Clear-IQ Engine – integrated (AiCE-i)をPETおよびCTに搭載することで、より低ノイズ・高コントラストの画像を出力することが可能である。さらに、検出器の冷却に空冷を採用しており冷却水循環装置が不要(チラーレス)のため、ランニングコストを抑えることができる。
なお、11月7日から11月9日にかけてパシフィコ横浜にて開催される第64回日本核医学会学術総会・第44回日本核医学技術学会総会学術大会において本製品を展示する。
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