【RSNA2011スペシャルレポート!】「Photon counting」:辻岡勝美先生(藤田保健衛生大学)より
辻岡勝美先生(藤田保健衛生大学)より現地速報をいただきました!
「Photon counting」
藤田保健衛生大学
辻岡勝美
RadFan report No1としてOpening Sessionの「CT Angiography : 20 Years Old and All grown Up」とScientific Session「Multienergy CT」についてレポートします。テーマはCTの最新技術Photon countingです。一昨年のRSNAでSpecial interest sessionとして話題となったPhoton countingですが、そのときは大きな話題となりました。会場は満席どころか、スクリーンの前で体育座りをする人が出るほどでした。これは現在も期待が高く、Opening sessionで講演されたことでもわかります。Opening sessionではColor CTとして紹介されました。従来のCTが信号強度だけのグレイレベルCTであったものが、Photon energyも診断にしようと言うものです。Photon countingといえば核医学で行なわれてきたことですが、CTの場合はX線管を使用していますので難しいことが多くあります。しかし、それも多くの研究の結果、克服されるように思います。Opening sessionでは2~3年後に実用化と紹介されていましたが、さあ、どうでしょう。Scientific Session「Multienergy CT」ではPhoton countingについてさらに詳しい発表が多くありました。会場は壁に沿って人が並ぶような大盛況でした。このような新しい研究分野ではセッションの最初にKeynoteとして技術解説があります。今回はjohns Hopkinsの田口氏が20分間のKeynoteを講演されました。これは日本人として嬉しいことでした。
さて、Photon countingの発表ですが、現状はTable top、つまり、実験室での研究段階です。また、Photon countingといっても各医学で行なっているようなMulti Channel Analyzerではなく、3閾値、4バンドが一般的です。この設定でエネルギー分解、ノイズ特性が決まりそうです。現在の実用機ではVirtual Monocromaticですが、数年後にPhoton countingが新しいCTとして利用されているでしょう。なかなか面白いOpening SessionとScientific Sessionでした。