『Trend Frontier ~担当者に聞く 機器&日常のススメ~』は、
メーカご担当者様に注目製品だけでなく、ご自身についても
語っていただくコーナーです!
第18回は、日本アキュレイ株式会社 武田卓子氏に
放射線治療機器『サイバーナイフ ラジオサージェリーシステム』について
ご紹介いただきました。
●貴社製品についてのご質問
・貴社製品についてお教えください。
当社は、放射線治療機器『サイバーナイフ ラジオサージェリーシステム』の製造販売を行っています。
・その製品の特徴をお教えください。
ロボットの高い機動性を利用し、ガントリーによる制約がないノンコプラナー照射を自動で実施します。さまざまな方向からの細いビームによるピンポイント照射、連続画像誘導技術を用いた治療中の追尾・検出・位置補正などにより、線量分布が急峻であることも特徴です。
・その製品を初めて見たときの一番の驚きはどこですか。
ロボットアームの可動範囲の広さに、皆さん、まず驚かれます。
自在に動くロボットアームが腫瘍を空間的/立体的に360°で捉えるため、アイソセントリックでも非アイソセントリックでも治療計画を立てることができます。ちなみに、1回当たりの治療では100~150本のビームを使用することが多いようです。
・その製品を導入されたお客様からはどんな反応がございますか。
可動部分が多いため、複雑なQA/QCが必要と思われますが、「思っていたよりも操作や管理が複雑ではなかった」という声を頂いたことがあります。
サイバーナイフ専用の治療計画装置「MultiPlan」については、「輪郭描写のツールが便利で、作業が楽」「Fusionが優秀」とのご意見を頂いています。
もちろん課題もあり、日本のユーザーの皆さんからの貴重な声を製品改良に繋げてゆきたいと考えています。
・その製品はどのような場所での活躍が期待できますか。
頭蓋内では頭蓋骨に近い(中心から離れた)部分や重要な神経が集中する耳鼻咽喉科・眼科の領域では、「サイバーナイフでないと」と言われる症例があります。
現在日本で販売している第4世代の機種(2010年10月上市)は体幹部治療のための機能が加わっています。
第3世代の機種でもプログラムのアップグレードによって体幹部治療が可能となるため、新規導入のご施設だけでなく、既にサイバーナイフをお使い頂いている施設でも体幹部治療を始められるケースが増えてきました。
海外では体幹部治療が半数を超えています。日本においても、まずは呼吸追尾システムを使用した肺治療が増えるでしょう。肝臓や前立腺といった他の部位も、治療環境が整えば、同様に増えてゆくと考えています。
・今後その製品はどのように発展していき、どのような分野に活躍の場を広げていくとお考えですか。
当社の米国本社では、2011年6月にTomoTherapy社を買収しました(日本におけるTomoTherapy Systemの販売は(株)日立メディコ)。
サイバーナイフとトモセラピーの2製品で、、SRS/SRTおよびIMRTといった高精度放射線治療の領域を広くカバーします。今後は両製品の優れた技術を統合し、新しい製品が生まれるかもしれません。
製品そのものだけでなく保守や情報提供といったサービス面の向上も、一歩一歩着実に進めるよう努めて参ります。その一環として、東京駅近くにある当社のトレーニング/ラボルームでいつでも実機をご覧頂けるようになりました。
●ご担当者様自身についてのご質問
・人生を変えた一言があればお教えください。
小学生の頃、オーケストラに所属しており、朝から晩まで練習に明け暮れていました。卒業時、指揮者の先生から「この3年間に音楽のために使った時間・努力を使えば、何でも出来る」という趣旨のお話を頂き、努力は好きなことだけでなく何にでも応用が可能だということに気が付きました。
・座右の銘をお教えください。
「独り立ちて強き者は真の勇者なり」(Friedrich von Schiller)
現状は常に変わる可能性があるという意味で、「下剋上」(半分冗談ですが)。
・今後の目標をお教えください。
当社が日本法人として設立されて2012年で5年です。会社も私個人も経験の集積がまだまだ足りないと感じています。「毎日勉強、毎日新人」で臨みたいと思います。
日本アキュレイ株式会社
マーケティング
武田卓子
URL:http://www.accuray.com/