持田シーメンスメディカルシステムとジョンソン・エンド・ジョンソン、日本初の心腔内超音波カテーテルを用いた不整脈診断・治療技術の導入開始にあたりプレスセミナーを開催~不整脈患者のQOL向上を目指す~

2012.03.01
菊池秀一氏
松川勝之氏
服部健一郎氏
柳原悠貴子氏
奥村恭男氏
CARTO 3システム
超音波診断装置ACUSON X300
 持田シーメンスメディカルシステム(株)(以下、持田シーメンス)とジョンソン・エンド・ジョンソン(株)(以下、ジョンソン・エンド・ジョンソン)は2月27日、大手町ファーストスクエア(東京都千代田区)にて、「不整脈患者さんのさらなるQOL向上を目指して~日本初の心腔内超音波カテーテルを用いた不整脈診断・治療技術の導入開始~」と題したプレスセミナーを開催した。
 まず菊池秀一氏(持田シーメンス代表取締役CEO)、松川勝之氏(ジョンソン・エンド・ジョンソン メディカルカンパニー バイオセンスウェブスター事業部長)がそれぞれ挨拶を述べた。菊池氏からは、ジョンソン・エンド・ジョンソンとのグローバルアライアンス提携に基づき、日本初の心腔内超音波カテーテルと持田シーメンスの超音波診断装置に関する戦略的な事業展開を本格的に日本で開始することが説明された。松川氏は、従来のX線画像と心電図によるカテーテルアブレーション(経皮的心筋焼灼術)と比較し、超音波診断装置でのカテーテルアブレーションはリアルタイムで動きが見られるメリットがあると述べた。
 続いて両社の技術紹介が行われた。服部健一郎氏(ジョンソン・エンド・ジョンソン バイオセンスウェブスター事業部マーケティング部)は心腔内超音波カテーテル「SOUNDSTAR(サウンドスター)」と「AcuNav(アキュナビ)」、3Dマッピングシステム「CARTO(カルト)3システム」について解説。SOUNDSTARとAcuNavは心腔内に挿入できるカテーテルで、SOUNDSTARには磁気センサが付いておりCARTO 3システムと組み合わせて3D Anatomical Mapを作成することができ、右心系から左心系の構造を立体的に把握することができる。柳原悠貴子氏(持田シーメンスメディカルシステム マーケティング本部)からは同社の超音波診断装置について説明が行われた。SOUNDSTARおよびAcuNavと接続して使用できるのは同社のX classシリーズの超音波診断装置で、病院やクリニックで使用される臨床用の小型装置である。
 特別講演では奥村恭男氏(日本大学医学部附属板橋病院循環器内科)が「不整脈診断・治療に対する心腔内超音波カテーテルの有用性」と題して講演を行った。不整脈には脈が遅れる徐脈性不整脈と、脈が速くなったり抜けたりする頻脈性不整脈があり、カテーテルアブレーションの対象となるのは頻脈性不整脈である。頻脈性不整脈の中で心房細動へのカテーテルアブレーションは複数の箇所をアブレーションする必要があり、合併症の発症率も高く難しいという。従来のCARTOシステムでは、カテーテルコンタクトから3Dマップを取得しており、術者により手技のレベルに差が生じることもあった。この度発表されたCARTOSOUNDシステム(SOUNDSTARとCARTO 3によるシステム)では視認によって3Dマップを作成することができ、より正確に短時間での手技が可能となった。奥村氏は、CARTOSOUNDシステムは従来のCARTOMERGEシステムより正確な解剖情報を描出することができ、リアルタイムの超音波画像を見ながら手技をできるようになったことで、心房細動などの複雑な解剖学的アブレーションの成功率、安全性の向上が期待されると述べた。