第7回女性医療マネジメント研究会、女性医療マネジメントセミナーを開催

2012.03.06
盛 宮喜氏
中村清吾氏
相良吉昭氏
朴 珍相氏
畑山 博氏
セミナー風景

 女性医療マネジメント研究会は3月2日、湖山医療福祉グループセミナールーム(東京都中央区)にて女性医療マネジメントセミナーを開催した。
 
 開催に際して、代表世話人の盛 宮喜氏(日本医療経営コンサルタント協会機関紙・月刊「JAHMC」編集長)は「日本の次世代にとって女性医療のインフラ構築が社会経済的に重大な課題である。本研究会では日本女性医療のあるべき姿を追求するうえで有用な議論の場としていきたい。また、GEヘルスケア・ジャパン(株)を含め、協賛・協力いただいた皆様に感謝します」と述べた。
 
 第1部では中村清吾(昭和大学医学部乳腺外科教授)が「我が国におけるHBOC(遺伝性乳がん・卵巣がん)の対策」について述べた。同氏は、乳がんや卵巣がんにおいてのリスクファクターとして近年の動物性食品の摂取量の増加と、遺伝子異常があるとした。遺伝子異常による乳がん・卵巣がんはがんの再発する可能性が高いため、家族歴の確認が重要であるという。同氏は「昭和大学病院ブレストセンターでは遺伝カウンセリングおよびHBOC診療を行っており、家族歴の確認により遺伝子異常の可能性が示唆された場合は、20才半ばからの検診が必要。近年ではマンモグラフィよりもMRIやPETマンモグラフィが病変を発見しやすく注目を浴びている。また、造影マンモグラフィの研究が進んでいるため、痛みを軽減し、若い女性でも病変を発見しやすい検査が増えていくだろう」と語った。
 
 次に相良吉昭氏(社会医療法人博愛会相良病院理事長)より「HBOCの自院の取り組み」として「当院ではHBOC患者を確実にピックアップするシステムだけでなく、家族カウンセリングや患者カウンセリング、患者のがん再発予防まで一貫した取り組みを行っている」と発表した。
 
 第2部では朴 珍相氏(韓国柳韓大学校保健医療福祉研究所研究員、国際医療福祉大学大学院保健医療学研究科保健医療学専攻博士課程)が「韓国のヘルスケアICTの現状と外国患者受け入れ体制に関する事例研究」について発表。同氏は、「サムスン医療院では外国人向けに150病床が用意され、国際病院の構築を果たしている。また、韓国医療全体としてGalaxy Tabなどのタブレットを活用した医師用、医療従事者用、患者用のアプリケーションシステムの構築がなされている。外国患者受け入れ体制を整えるためには、外国人医師や医療従事者を積極的に受け入れ、国内からも海外へ出て学ぶことが必要だ」と語った。
 
 最後に畑山 博氏(医療法人財団足立病院院長)が「女性医療マネジメントセミナーをオープンセミナーとしたのは初めてのこと。今回学んだことについて、ぜひ実践していって欲しい」と閉会の挨拶が述べられ、本会を締めくくった。