【JRC2012スペシャルレポート】「ITEM2012開催!」鈴木一史先生(東京女子医科大学画像診断・核医学科)より
鈴木一史先生(東京女子医科大学画像診断・核医学科)よりJRC2012の速報をいただきました!
自分の発表を終えた後で、ITEM会場で配布されている『Rad Fan Plus』を手にしながら機器展示を見て回った。モダリティ系のレポートは別にするとして、それ以外の製品や雑感をレポートしてみたい。
音声認識のAmiVoiceはすでに多くの施設で利用されているが、バージョンアップがされていた。すでに当科でも切り替え済みだが、今回のバージョンアップでは音響モデルが更新されているため、学習データをレベル1からやりなおした方が良いかもしれないとのことであった。
各社がiPadなどのモバイル端末にも力を入れる中,操作性がすばらしいと感じたのはIMAGE ONEのiDO Viewerだった。画像読み込みの順序や端末内でのキャッシュの方法が大変細かくチューニングされており、ストレスのない操作が可能だった。UIの作り込みもよくできており、初見でも簡単に操作でき,一歩リードしている感があった。今後はただiPadで画像が見えるだけではなく,機能やUIなどでの差別化が重要となるだろう。
考えてみると、2年前のITEMではiPadが国内で未発売であったが、現在では私の医局で教授をのぞくほぼ全員が何らかのiOS機器を所有するまで普及しており、隔世の感がある。学会の提供するWi-Fiのおかげで3GのないiPadでもネットワークサービスそのものは利用できただけに、CyPosがiPadなどから閲覧できないのが大変残念に感じる。なお、学会会場は携帯が混雑のためか通じにくくWi-Fiのおかげで助かったが、ITEM会場ではWi-Fiも各社のネットワークが乱立しており、デモがうまくいかない機器もあったようだった。
その他,ぜひ実機で体験してみるべきデモとしては、SONYの大型4Kモニタ(フルHDの4倍のピクセル数)や、Ziosoftの超四次元画像と呼ばれる補完された動画像などが挙げられるかもしれない。いずれも製品として市場に出てくるまで少し時間がかかりそうだが、これらを日常的に使用するためには現在よりもさらに高速大容量のIT技術の進歩が必要なようである。3D表示の製品も複数の参考出品があったが、それぞれに一長一短であり、実際の業務にどのように組み込まれていくのかという未来がまだ描けていないように思われた。