第52回日本核医学会学術総会 取材レポート/第13回日本脳神経核医学研究会「脳PET/SPECTに定量性は必要か」
菅野 巌先生(放射能医学総合研究所分子イメージング研究センター)
第13回日本脳神経核医学研究会では、菅野 巌氏(放射能医学総合研究所分子イメージング研究センター)が「脳PET/SPECTに定量性は必要か」というタイトルで講演を行った。本講演では、
・定量性とは?
・脳血管障害の定量性
・能機能賦活の定量性
・モデルが損なう定量性
・定量性のコスト
について発表された。
同氏は、脳循環代謝の定量測定では、治療法の選択・治療効果の評価・脳循環代謝の理解が分かり、定量測定による賦活CBF調節では、賦活CBFは基準化後の相対値・ベースラインに比例・酸素供給と無関係・線形性/加算性と語られた。また、能血流量計測モデルと連動する誤差について、入力関数の誤差、トレーサの分配恒数、非線形性による誤差の拡大、部分容積効果の拡大、組織混合効果の拡大、トレーサの初回透過率を挙げている。能PET/SPECTでは、設備、施設、患者のコストがあるが、脳血管障害治療のメリット、脳機能賦活理解のメリットがあるとまとめた。