第40回日本放射線技術学会秋季学術大会参加レポート

2012.10.17

2012年10月4日~6日、東京都江戸川区で開催された第40回日本放射線技術学会秋季学術大会の参加報告を、寺澤和晶先生にご執筆いただきました!

第40回日本放射線技術学会秋季学術大会参加レポート
長野赤十字病院
寺澤和晶

図1 展望台がある学会場
図2 参加登録(西丸英治さん)
図3 会場風景(質問の小暮陽介さん)
はじめに
 「Medical Scienceの一員としての心柱sを求めて!」をテーマに開催される第40回日本放射線技術学会秋季学術大会に参加することになった。まず、テーマに「ん?『心柱s』とは何ぞや…」。いきなり問答を突き付けられてしまった。どうやら複数形のsを意味するとのことだ。程なく、心柱(しんばしら)とは建築物の対称軸となる中心に位置する構造体で、災害の多い日本では古来より建物の維持に重要な役割を果たしてきたことを理解する。そして、大会テーマの「心柱s」の“s”は、日本放射線技術学会が診療放射線技師のみに限定されることなく放射線医療の領域を請け負って、多岐に渡る分野と多職種を包括する活動を続けているといった意味が隠されていることを知る。深い~テーマに入口から躓いた感はあるが、なんとか参加準備は完了。「いざ!」、開催場所である東京都「タワーホール船堀」へ。同時に、予備知識として、タワーホール船堀には高さ115mの展望室があり、360°の大パノラマで都内全域が一望できること、無料で展望タワーエレベーターに乗ることができることを知る。これは絶対に期間中のスケジュールに加えねばとプログラムを再確認することにした。

全国各地の特色が出る秋季大会
 秋季大会といえば、春の総会と違い大規模な機器展示や国際イベントといった催しがなく華やかなイメージはない。ただ、全国各地で開催されるため地方の特色が前面に出てくる。勉強や研究活動、最新情報を得ることも然ることながら、折角の貴重な機会だから各地を楽しむことも重要である。その点で今回の目玉はスカイツリーであろう(浅草・浅草寺も捨てがたいが…)。しかし、実現できる諸君はどれ程になるであろうか?後に聞いてみることにする。今回、参加レポートを仰せ付かったが、最初に読者には謝っておかねばならない。かく言う私は、研究のほとんどがCT(特に造影技術)に関することであり、CT検査に従事およびCTに関する研究をフィールドにしている人たちしか存じ上げないのである。その辺り、偏ったレポートになることをお詫びする。

1日目
 さて、本題に入る。1日目、10月4日(木)は起床5時、7時発の長野新幹線にて現地へ向かう。残念ながら、開会式には間に合わなかった。船堀駅からタワーホール船堀のタワーを見上げた(図1)。展望デッキは相当眺めが良さそうである。参加登録をしていると西丸英治さん(広島大学病院)に遭遇した(図2)。今回彼は逐次近似法を応用した技術セッションの座長を任されていた。画像評価を専門にする若手のホープである。一緒にランチョンのチケットを求め別れた。この日は、第一会場(大ホール)でCTのセッションが終日行われるため、昼食(ランチョン)以外はほぼカン詰めになった。午前中はまばらな参加者であったが、午後には解消された。最近はDual Energyによる撮像と被ばく低減技術の研究が盛んになってきている。一方、心臓CTは洗練されてきたせいか若干下火になった様な感がある。この日も、午前はDual Energy、午後は被ばく低減技術が中心にセッションがプログラムされていた。広い会場ではあったが、ディスカッションも大いにされていた(図3)。17時50分終了。

※続きは「Rad Fan2012年11月号」(2012年10月末発売)にてご覧下さい。