西村 玄氏
|
本田真俊氏
|
高橋英二氏
|
粟津原信一氏
|
後藤康祐氏
|
矢部 仁氏
|
水野香菜絵氏
|
大竹山令奈氏
|
藤田和俊氏
|
石崎邦明氏
|
(株)フィリップスエレクトロニクスジャパンは12月8日、東京都立小児総合医療センター(東京都府中市)にて、「小児MRIフィリップスユーザーズミーティング(CUTE)」を開催した。第3回目となる今回は「体幹部」がテーマとなる。
まず西村 玄氏(東京都立小児総合医療センター、放射線科部長)より、開会の挨拶が行われた。「第3回目を迎え、参加するコアメンバーも増えてきた。今回のテーマは体幹部で、参加者の皆様は腹部の検査は難しいという印象をお持ちと思う。今日は様々な本音やご意見を聞ければと思う」と本会開催のねらいを述べた。
その後、本田真俊氏(フィリップスエレクトロニクスジャパン、MR Application Specialist)によりMRIの撮影法の中でも「呼吸同期法」「呼吸補正法」「横隔膜同期法」「心電同期法」についての技術講演が行われた。呼吸同期の重要性を指摘し特に呼気に合わせて撮像することを強調。「呼吸同期法と心電同期法を組み合わせることにより、息の止めることのできない縦隔腫瘍の検査ができる」ことを示した。またフィリップス製新型MRI「Ingenia 3.0T」の紹介も行われた。
次に、3施設による撮像技術の工夫について施設発表が行われた。まずは高橋英二氏(東京都立小児総合医療センター)により、普段より症例の多い先天性胆道拡張症のMRCPを用いた臨床画像の比較、撮影条件による「FB」「RT」「MT」の各撮影法の有用性の比較についての講演がなされた。「呼吸止めできない患者の場合でもRTを用いることで綺麗に撮影できる」として「患者の呼吸状況によって呼吸補正法を選択することが重要であり、収集時間も考慮したシーケンスの設定を考えていく必要がある」とまとめた。
続いて粟津原信一氏(長野県立こども病院)により腹部腫瘍のフォローアップとして、撮影シーケンスについての講演がなされた。「撮影対象が小児なので、時間の短縮が必要」として、T1強調画像・T2強調画像の撮影の後に、必要であればSTIRや拡散強調画像を撮影する。特に細胞密度の高い腫瘍の経過観察には、T2強調画像(シングルショットを多用)が有効であることを臨床画像を用いて説明した。
最後に、後藤康裕氏(東京女子医科大学病院)が講演。小児MRI検査(主に胎児、移植手術前の血管検査、腹部等)の症例の比較を行い、「腹部領域の撮影において、呼吸同期を行わずとも、加算を増やしSMARTアベレージングを利用することで自由呼吸で撮像し臨床に有用な画像が得られる」ことを強調した。
休憩を挟んで、矢部 仁氏(埼玉県立小児医療センター)により、小児MRI時の入眠管理の見直しの事例と調査の報告が行われた。「検査数増加に伴い、同時入眠によるトラブルや不眠による再予約が続いたが、家族の協力や寝やすい環境づくり、CLSのアドバイスを実践することで不眠キャンセル率を3%抑えることができた」と発表。
続いて、水野香菜絵氏(埼玉県立小児医療センター)より、CLS(Child Life Specialist)とその活動内容が紹介された。医療器具を用いて子供に遊んでもらうことで、医療機器や検査への抵抗を減らし、子供の心の準備を促す「プリパレ―ション」や、治療中のサポートである「ディストラクション」の紹介が事例を交えて行われた。
次に「糖原病を知る」をテーマに臨床講演が行われた。大竹山令奈氏(東京都立小児総合医療センター内分泌・代謝科)からは「グリコーゲンの代謝に必要な酵素の欠損により、肝臓や筋肉に貯蔵されているグリコーゲンが使われず、肝臓や筋肉にグリコーゲンが貯まっていき肝腫肥大などを起こす」という糖原病の概要が説明された。治療法として「低血糖予防としてコーンスターチの服用」「肝腫肥大を防ぐため一度に沢山の糖分を取らない」等を紹介した。
続いて、藤田和俊氏(東京都立小児総合医療センター放射線科)により、「肝臓のMRSの長所と短所、検査の種類」「1H-MRSで見られるピーク」「糖原病患児における1H-MRSの初期経験」についての講演がなされた。「肝臓のMRSの長所として、体表に近い臓器であるためサーフェスコイルの使用が可能であり、肝臓は最大の臓器であり比較的均一な組織で構成されているため信号が得やすい。一方、短所として、呼吸による横隔膜、心臓、腸などの周囲臓器からの動きの影響を受けやすく、選択臓器以外からの信号混入により精度低下が生じやすい」と指摘。糖原病の患児への治療についても「肝臓のMRSは非侵襲的で代謝産物の測定が可能であり、治療効果測定等においても応用ができると考える」とまとめた。
最後に、石崎邦明氏(東京都立小児総合医療センター、放射線科技師長)により閉会の挨拶が行われた。
まず西村 玄氏(東京都立小児総合医療センター、放射線科部長)より、開会の挨拶が行われた。「第3回目を迎え、参加するコアメンバーも増えてきた。今回のテーマは体幹部で、参加者の皆様は腹部の検査は難しいという印象をお持ちと思う。今日は様々な本音やご意見を聞ければと思う」と本会開催のねらいを述べた。
その後、本田真俊氏(フィリップスエレクトロニクスジャパン、MR Application Specialist)によりMRIの撮影法の中でも「呼吸同期法」「呼吸補正法」「横隔膜同期法」「心電同期法」についての技術講演が行われた。呼吸同期の重要性を指摘し特に呼気に合わせて撮像することを強調。「呼吸同期法と心電同期法を組み合わせることにより、息の止めることのできない縦隔腫瘍の検査ができる」ことを示した。またフィリップス製新型MRI「Ingenia 3.0T」の紹介も行われた。
次に、3施設による撮像技術の工夫について施設発表が行われた。まずは高橋英二氏(東京都立小児総合医療センター)により、普段より症例の多い先天性胆道拡張症のMRCPを用いた臨床画像の比較、撮影条件による「FB」「RT」「MT」の各撮影法の有用性の比較についての講演がなされた。「呼吸止めできない患者の場合でもRTを用いることで綺麗に撮影できる」として「患者の呼吸状況によって呼吸補正法を選択することが重要であり、収集時間も考慮したシーケンスの設定を考えていく必要がある」とまとめた。
続いて粟津原信一氏(長野県立こども病院)により腹部腫瘍のフォローアップとして、撮影シーケンスについての講演がなされた。「撮影対象が小児なので、時間の短縮が必要」として、T1強調画像・T2強調画像の撮影の後に、必要であればSTIRや拡散強調画像を撮影する。特に細胞密度の高い腫瘍の経過観察には、T2強調画像(シングルショットを多用)が有効であることを臨床画像を用いて説明した。
最後に、後藤康裕氏(東京女子医科大学病院)が講演。小児MRI検査(主に胎児、移植手術前の血管検査、腹部等)の症例の比較を行い、「腹部領域の撮影において、呼吸同期を行わずとも、加算を増やしSMARTアベレージングを利用することで自由呼吸で撮像し臨床に有用な画像が得られる」ことを強調した。
休憩を挟んで、矢部 仁氏(埼玉県立小児医療センター)により、小児MRI時の入眠管理の見直しの事例と調査の報告が行われた。「検査数増加に伴い、同時入眠によるトラブルや不眠による再予約が続いたが、家族の協力や寝やすい環境づくり、CLSのアドバイスを実践することで不眠キャンセル率を3%抑えることができた」と発表。
続いて、水野香菜絵氏(埼玉県立小児医療センター)より、CLS(Child Life Specialist)とその活動内容が紹介された。医療器具を用いて子供に遊んでもらうことで、医療機器や検査への抵抗を減らし、子供の心の準備を促す「プリパレ―ション」や、治療中のサポートである「ディストラクション」の紹介が事例を交えて行われた。
次に「糖原病を知る」をテーマに臨床講演が行われた。大竹山令奈氏(東京都立小児総合医療センター内分泌・代謝科)からは「グリコーゲンの代謝に必要な酵素の欠損により、肝臓や筋肉に貯蔵されているグリコーゲンが使われず、肝臓や筋肉にグリコーゲンが貯まっていき肝腫肥大などを起こす」という糖原病の概要が説明された。治療法として「低血糖予防としてコーンスターチの服用」「肝腫肥大を防ぐため一度に沢山の糖分を取らない」等を紹介した。
続いて、藤田和俊氏(東京都立小児総合医療センター放射線科)により、「肝臓のMRSの長所と短所、検査の種類」「1H-MRSで見られるピーク」「糖原病患児における1H-MRSの初期経験」についての講演がなされた。「肝臓のMRSの長所として、体表に近い臓器であるためサーフェスコイルの使用が可能であり、肝臓は最大の臓器であり比較的均一な組織で構成されているため信号が得やすい。一方、短所として、呼吸による横隔膜、心臓、腸などの周囲臓器からの動きの影響を受けやすく、選択臓器以外からの信号混入により精度低下が生じやすい」と指摘。糖原病の患児への治療についても「肝臓のMRSは非侵襲的で代謝産物の測定が可能であり、治療効果測定等においても応用ができると考える」とまとめた。
最後に、石崎邦明氏(東京都立小児総合医療センター、放射線科技師長)により閉会の挨拶が行われた。