富士フイルム(株)(本社:東京都港区、社長:中嶋成博)は、マンモグラフィ検査に対する「痛い」という不安感を低減し、より受診しやすい環境を提供することを目指して、乳がん検査用デジタルX線撮影装置「AMULET」シリーズ向けのオプション、新構造圧迫板「FS(FitSweet)圧迫板」(*1)を、富士フイルムメディカル(株)(本社:東京都港区、社長:平井治郎)を通じ4月11日より発売すると発表した。
近年、政府によりがん検診の受診率向上に向けたさまざまな施策が展開され、乳がん検診の受診率は高まってきている。しかし、最も乳がん検診が必要とされている40歳以上の女性の受診率はまだ31.4%(*2)にとどまっている。その原因のひとつとして、マンモグラフィ撮影時に乳房を圧迫して固定する際の痛み・不快感が挙げられている。
従来までの圧迫板では、乳房の最も厚みがある部分に集中して圧力が加わっていたため、その部分に強い痛みを感じることが多くあった。今回、同社が発売する「FS圧迫板」は、乳房と接触した際に圧迫板が乳房の厚みに沿って傾斜することに加え、圧迫板(ポリカーボネイト製)の前面部(胸壁(*3)部)と両側面部(左右)の計3か所に隙間(スリット)を設けることで、乳房を圧迫する際の圧力が面内で分散される設計になっている。同社は、マンモグラフィ検査時の痛みを軽減することを目指して(*4)、「FS圧迫板」を開発した。
同社は、今回発売する「FS圧迫板」を始め、マンモグラフィ検査を受診しやすい環境を提供することを目指したマンモグラフィ装置用のオプションなどを今後「AMULET Harmony(アミュレットハーモニー)」シリーズとして展開していくと発表した。
同社は、独自の最新技術を搭載した高品質・高画質のマンモグラフィ装置の開発だけにとどまらず、その装置を使用する操作者および受診者にとって、マンモグラフィ診断をより快適にすることを目指したソリューションを提案することで、乳がんの早期発見と医療の質の向上に貢献していくと述べた。
*1 薬事販売名 : デジタル式乳房用X線診断装置 FDR MS-2500または、デジタル式乳房用X線診断装置 FDR MS-2000の付属品 18×24L圧迫板(FS)、24×30H圧迫板(FS)。
*2 国立がん研究センターがん対策情報センター「国民生活基礎調査による都道府県別がん検診受診率データ(2010年)」より。
*3 乳房と体の付け根部分、乳房の後ろにある脂肪から肋骨前にある胸部筋肉部分のこと。
*4 同社は、次のとおり調査を実施した。
<実施内容>
女性10名を対象に、従来の乳がん検査用デジタルX線撮影装置「AMULET」シリーズに搭載されていた圧迫板と「FS圧迫板」で同一被験者の同一乳房(右乳房2方向撮影(CC、MLO))に対して、同一ポジショニング・圧力負荷による痛み比較評価と同時撮影したマンモグラフィ画像で撮影線量・画質の比較調査を実施。
<結果>
被験者に実施した、アンケート結果からは、10人中7名から“痛みが軽減し、次回も「FS圧迫板」で検査したい”という評価結果が得られた。撮影を実施した技師からは、「FS圧迫板」を利用した場合、従来の圧迫板よりもポジショニングがしやすい傾向にあるという意見が得られた。また、医師・技師への比較画像評価により、従来品で撮影したマンモグラフィに比べて「FS圧迫板」で撮影した画像の方が乳腺部分が広がって見えるとの評価が得られた。
1. 発売日
平成25年4月11日
2. 品名
「FS圧迫板」
3. 標準ユーザー渡し価格
80万円 (税別)
4. 特長
「FS圧迫板」は、マンモグラフィ検査に対する「痛い」という不安感を低減し、より受診しやすい環境を提供することを目指して展開するマンモグラフィ装置用のオプション「AMULET Harmony」シリーズの1つである。
・フィットしながら乳房を伸展させる
受診者の乳房を包み込むように密着し、しっかりと圧迫・固定が可能な新設計の圧迫板である。乳房を圧迫する際、まず胸壁を固定してから、胸壁から乳頭方向へ、また乳房の左右へゆっくりと圧迫していく設計になっており、しっかりと乳腺を伸ばしたポジショニングをサポートする。
5. 主な仕様
・圧迫板サイズ : 18×24cm/24×30cm
6. 対応機種
① 「FUJIFILM Digital Mammography System AMULET f」
(薬事販売名 : デジタル式乳房用 X線診断装置 FDR MS-2500/認証番号:223ABBZX00020000)
② 「FUJIFILM Digital Mammography System AMULET s」
(薬事販売名 : デジタル式乳房用 X線診断装置 FDR MS-2000/認証番号:223ABBZX00021000)
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