日本ヒューレット・パッカードがデータベース新戦略説明会を開催

2011.04.27
左が杉原博茂氏、右は山中伸吾氏。
 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下日本HP)は4月26日、東京ミッドタウンホール(東京都港区)にて、日本HPデータベース戦略についての記者会見を行った。
 まず、杉原博茂氏(日本HP執行役員エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括)は、データベース(以下DB)を変革する必要性についての説明を行った。
 同氏はハードウェア(以下HW)のコストは高性能化、低価格化に伴い、2005年~2011年の間に8,302万円から373万円に低下しているが、DBは6,195万円から4,130万円と同期間におけるコストダウンの幅が小さいと説明。「今後DBを見直さなければ、システムコストの削減は困難な状態である」と語った。しかし、DBを移行するには、関係する業務アプリの改修も必要となり、HWの変更より困難である為、DB移行を躊躇うケースが多いという。同氏は「DBの移行が困難な現状を打破することで、日本HPはTCE(Total Customer Experience)の向上、つまりシステム設定・運営までEND to ENDのトータルな顧客満足度向上を目指す」と述べた。
 続いて、山中伸吾氏(日本HPエンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括サーバーマーケティング統括本部製品戦略室室長)が今回の新戦略について説明。「ロックリリース」というキーワードを挙げ、今後異なるベンダー間のDB移行を容易に行える環境を日本HPはサポートしていくと語った。
 また山中氏は「DBに限らず、移行性の確保を行うことによりベンダーへの価格交渉力が強まる」と説明。具体的に日本HPが提供する新サービスとして、仮想化の利用やエディションのダウングレードを利用してDBライセンス費用の削減を提案するサービスや各DBの独自言語部分を標準化(統一)し、将来、他のDBの乗り換えコスト・リスクを削減できるサービス、エンドユーザに最適なデータベースの選択や移行見積り、実際の移行作業も一貫して行うサービスなどを挙げた。また山中氏は、これらのサービスについて2011年4月26日より提供を開始すると述べた。
DB改革推進アライアンス
最後にDB改革推進アライアンスとして、株式会社日立製作所、日本マイクロソフト株式会社、エンタープライズDB株式会社、サイベース株式会社、SAPジャパン株式会社の5社の企業が紹介された。山中氏は「日本HPは今後も企業のより効率的、生産的なデータ活用を目指し、DB改革を推進していく」と語った。