セント・ジュード・メディカル、条件付きMRI対応ペースメーカ「Accent MRIペースメーカシステム」新技術説明会を開催

2013.07.01
フィリップス氏
井村千秋氏
中井俊子氏
セント・ジュード・メディカル(株)(本社:東京都港区、代表取締役社長:ウィリアム・フィリップス)は6月27日、条件付きMRI対応ペースメーカ「Accent MRIペースメーカシステム」を日本で上市し、同日、本社にて説明会を開催した。
同製品は特定の条件において高解像度の全身MRIに対応したペースメーカである。MRIアクティベータ装置によりボタン一つMRI検査時向けのデバイスパラメータに切り換えられる点が特長である。また、ワイヤレスのリモート対応機能によって患者に合わせたケアが可能であり、通信は遠隔モニタリングシステムMerlin.net Patient Care Network(マーリンペイシェントケアシステム)を通じて行われる。更に、臨床的に実績のある同社の心房不整脈モニタリングアルゴリズムを搭載することにより、脳卒中のリスクを検出する。なお、シングルチェンバーでの条件付きMRI対応ペースメーカは業界初の製品となる。
同製品の日本での上市に対しフィリップス氏は「当製品は現在ペースメーカを使用している人に多くの利点がある。今日、MRI検査の需要はますます高まっている。当製品の登場により、MRI検査を受けられない人が一人でも少なくなってくれることを願う」と、胸の内を語った。
その後、井村千秋氏(シーメンス・ジャパン(株))と中井俊子氏(日本大学)による講演が行われた。
井村氏は「MR装置と検査、市場について」について講演。MR装置の原理を実際の画像と共に解説し、その有用性について触れた。また、MR装置/検査の国内状況を語り「患者の高齢化によりMRI対応ペースメーカの需要は今後益々高まっていくだろう」と述べた。
中井氏は「MRI対応ペースメーカの有用性~臨床医の立場から~」について講演。国内のMRI検査数は年々増加傾向にあり、例えば整形外科領域においては、被ばくもない非侵襲な検査として重要であると語る。また、中井氏が紹介したアンケート結果によると、ペースメーカ植込み患者の半数以上はMRI検査を受けられないことに不安を感じているという。「患者さんが将来、整形外科・脳外科などのMRIが必要な病気にかからないとも限らない。条件付きMRIペースメーカが標準的な機種となっていくことでその不安は緩和するだろう」と期待を寄せた。
Accent MRIペースメーカシステム
会場の様子