シーメンス・ジャパン、第5回Definition シンポジウムを開催
シーメンス・ジャパン(株)は8月31日、ガーデンシティ品川(東京都港区)にて、第5回Definition シンポジウムを開催した。司会に内藤博昭氏(国立循環器研究センター病院)を迎え、Session1~4までの4部構成で行われた。
内藤博昭氏(国立循環器病研究センター病院)による開会の挨拶の後、Session1では、シーメンス社がグローバル規模で開催しているCT Image Contestの日本版として行われたCT Image Contest Japan Editionが開催された。座長に今井 裕氏(東海大学)を迎え、受賞ケースが発表され、最優秀賞であるBest Overallを合わせて計7部門の受賞者が選ばれた。Best Overall(最優秀賞)には吉田亮一氏(東海大学医学部付属病院)が選出され、General部門では中森克敏氏(三重大学医学部附属病院)、Cardio-Vascular部門では神崎 歩氏(国立循環器病研究センター病院)、Neuro部門では高田忠徳氏(金沢大学附属病院)、Oncology部門では佐藤公英氏(総合上飯田第一病院)、Dual Energy部門には及川徳章氏(伊東市民病院)が選ばれた。最後にTechnical部門では高井寿克氏(東京都保健医療公社大久保病院)が選ばれた。
Session2では、X線検出器「Stellar Detector」の臨床時における有用性について、Benefits of Stellar Detectorと題する講演が行われた。座長に平野雅晴氏(東京医科大学)、市川勝弘氏(金沢大学)を迎え、まず物理特性について富田博信氏(埼玉県済生会川口総合病院)が「画像SDに関しては低線量ほど改善効果があり、NPSでは低線量ほど低周波領域で改善し、線量増加に伴い、全周波数域で一致した。低コントラスト検出能では視認性が良いことが示唆され、ストリークアーチファクトについては画像SDにおいて改善がみられ、統計学的手法、視覚的においてもアーチファクト低減が認められた。造影剤感度においてはほぼ変化はなかったが、Edge Technologyについては最少スライス厚は、ピッチ1以下において0.6mmを下回った」と発表した。頭部に関しては三木 均氏(愛媛県立中央病院)が発表した。その後、北川覚也氏(三重大学)が腹部・心臓領域におけるStellar Detectorの有用性に関して「Stellar Detectorのアップグレードの恩恵を受けている。全般的な画質の改善や、0.5mm再構成、Bloomingの低減、80kV perfusion撮影のルーチン化による被曝低減ができている」と述べた。
Session3では、Advanced Visualization System”syngo.via”と題して、CT撮影後の画像処理のワークフローをサポートするシステムsyngo.viaについて講演が行われた。座長は平野雅春氏と内藤博昭氏が務め、高橋 哲氏(神戸大学)が腹部・Duel Energyについてsyngo.viaの導入経験について語った。同氏によると、syngo.viaにより、読影所見システム端末から直接高度な画像処理にアクセスできる上、多彩な処理機能を持ち、workflowとしてバックグラウンドで処理が可能な点がメリットであるという。次に佐久間 享氏が、心臓とOncologyについての例を語り、syngo.viaは特にCT検査における画像処理、読影における作業効率を高め、診療放射線技師の負担を減らし、医師の読影支援につながる、と述べた。本Sessionの最後では、福田国彦氏(東京慈恵医科大学)がiPadを使ってsyngo.viaを操作するという一幕もあった。
Session4ではNew Horizon in CT Diagnosisと題してCT検査の可能性について語る、という講演が行われた。辻 喜久氏(京都大学)が、まず、subtraction color mapでは、今までの撮影条件を変える必要がなく、かつ低被曝で早期膵炎の壊死予測が可能であると述べ、次に濱口隆史氏(金沢大学付属病院)がThree-material decomposition法による肝鉄濃度と脂肪含有率の測定について述べた。さらに太田 剛氏(埼玉県済生会川口総合病院)が、Duel energy CTにより描出可能な腱の範囲と、描出不良な腱の範囲について説明し、最後に福田国彦氏(東京慈恵医科大学)が、運動器領域でDuel energy CTに期待できることに関してまとめ、会を締めくくった。