乳がん検査用デジタルX線撮影装置「AMULET Innovality」がRSNA2013において展示されていた。トモシンセシス機能に対応した、AMULETシリーズの最新ラインナップ。
本製品は独自の直接変換型FPDを搭載。同社が開発したHCP(Hexagonal Close Pattern)構造のTFT(Thin Film Transistor)パネルでは、電荷を収集する電極の形状を六角形にしているため、電極の角が鈍角となり、電界強度の乱れが緩和されることで、電荷収集効率が向上。X線検出感度は従来のパネルと比べて約2割向上している。
出力画素サイズは、従来の「AMULET」シリーズと同じ50μm。
トモシンセシス機能には、標準のSTモード(撮影時間が短く低線量を優先した検診向けモード)と、高精細なHRモード(画像分解能を優先し関心領域にフォーカスを合わせた観察が可能な精検向けモード)の2つの撮影モードが用意されている。独自の直接変換型FPDによって、従来の「AMULET」シリーズよりも低線量で高画質の画像を撮影することができるため、複数の断層撮影を行うトモシンセシスにおいては、被曝低減に大きく寄与している。
特にRSNA2013ではトモシンセシス機能において、診断を支援する2つの表示モードと、画像解析機能が紹介されていた。
表示モードは、濃度コントラストが見やすい従来タイプのモード1と、CTライクな表示で腫瘤などを見やすく表示するモード2がある。
また、超低線量で模擬撮影した画像を解析することで、乳腺濃度、インプラントなどの有無を自動で判断し、X線の強弱や線量を決定するIntelligent AEC機能を搭載。撮影線量の見極めが難しいインプラントなどが入っている乳房でも、最適な検査を確実に行うことができる。
同社開発の新構造圧迫板「FS圧迫板」にも対応。乳房と接触した際に乳房の厚みに沿って傾斜し、前面部(胸壁部)と両側面部(左右)の計3か所に隙間(スリット)を設けることで、乳房を圧迫する際の圧力が面内で分散される設計になっており、受診者の痛みを軽減する。
AMULETシリーズは、全世界で1,000台以上を販売、マンモグラフィの国内シェアトップを誇る。(※FDA未承認、日本国内および米国・欧州・中国以外の一般海外ではすでに販売が開始している)