はじめに小松研一氏(同会会長)より、「がん医療と画像医療システム」を発表した。同氏は、「画像診断システムの技術進歩は、高精細な診断画像の提供により、今日ではがん診断に必要なものであり、臨床で広く利用されてがん医療に貢献しているものだ。画像バイオマーカーの促進、画像誘導低侵襲性治療の拡大、在宅がん医療の高度化が重要になるのではないか」と述べた。
次に宮田辰則氏(厚生労働省健康局がん対策・健康増進課主査)による「厚生労働省からみた今後のがん研究について」の講演が行われた。同氏は政府が進めてきたがん政策について述べ、今後のがん対策について「がんの死亡率減少に資する治療法開発に加え、予防と早期発見に今まで以上に取り組むとともに、がん患者の充実した充実したサバイバーシップを実現することが求められる」とした。
続いて、米倉義晴氏(独立行政法人放射線医学総合研究所理事長)は、今後のがん研究について「画像診断と分子生物学や臨床医学などの異分野技術との融合による新たな技術やそれを用いた戦略が非常に重要である。特に分子イメージングはコアとなり、治療法の最適化に役立つ診断、治療効果の予測や早期反応の評価、新技術や新薬の開発から発症予防等の治療への展開といった診断・治療・予防の融合を可能とする」とした。
最後に、堀信一氏(医療法人龍志会ゲートタワーIGTクリニック院長)はIGT治療による血管塞栓術という先進医療について、球状塞栓物質とIVR-CTを用いた血管内カテーテル治療による動脈塞栓術を紹介し、血管内治療をがん治療の標準治療の一つとすることが今後のがん治療において必要であり、最先端の医療画像が極めて重要になると語った。