同社は世界目標として「ヘルシーマジネーション(healthymagination)」を掲げ、「より身近で質の高い医療をより多くの人々に」提供することを目指す。同カレッジはその活動の一環となる。8回目にあたる今回は、「アベノミクスと医療改革-社会保障制度改革をうけた今後の医療改革が向かう方向-」と題し講演が行われた。
はじめに、川上 潤氏(同社代表取締役社長兼CEO)より挨拶があった。川上氏は、アベノミクスにおける医療改革の方針について、同社のSilver to Gold戦略に合致すると説明し、「日本の医療を輸出するよりも、国内の課題を解決することが優先される」と語った。
次いで、松山幸弘氏(一般財団法人キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・経済学博士、内閣府規制改革会議健康・医療ワーキンググループ専門委員、厚生労働省「社会福祉法人の在り方等に関する検討会」構成員)から「アベノミクスと医療改革」の講演が行われた。同氏は、海外との競争力を得るため、日本医療もメガ非営利医療事業体(IHN)を設立すべきと主張する。IHNを県単位で組み立て、多数のサテライト診療所を配置したうえで、高度な機能を持つ病院は分業させ、団体ごとに1か所ずつのみ設置。保険会社なども提携内にし、国民の健康のための包括的なシステムを目指す。オーストラリアやカナダ、日本の類似ケースをあげ、「IHNを設立することにより、設備投資費の削減、患者情報の完全共有化、病院財政の恒常的な黒字化が望める」とした。子会社の選別、理事会の設立など、クリアすべき課題は多くあるが、「今後、2、3のモデルケースを国内に作り、実際に運営が始まれば、皆から支持される仕組みになっていく」と同氏は結んだ。