GEヘルスケアとテスラ・エンジニアリング社研究機関向け超高磁場7.0T MRIシステムの開発に向け提携 ~日本国内では新潟大学脳研究所、岩手医科大学医歯薬総合研究所で7.0T MRIシステムを使用~

2014.06.30

GEヘルスケアとテスラ・エンジニアリング社は、5月12日(月)、ミラノで開催された国際磁気共鳴医学会(ISMRM)と欧州磁気共鳴医学生物学学会(ESMRMB)における合同会議において、超高磁場7.0テスラ(7.0T)ヒト用全身磁気共鳴画像装置(MRI)*1を共同で開発していくことを発表した。両社の提携は、この領域におけるGEの10年間にわたる先進技術のイノベーションの実績をさらに発展させていく。
超高磁場7.0T MRIは、理学・医学の研究機関において、主に脳の形態・機能画像の研究を目的に使用されているが、その使用範囲は徐々に体のすべての生体組成にまで拡張しつつある。超高磁場MRIの研究は、がんや脳卒中、てんかん、薬物乱用、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、注意欠陥障害、多発性硬化症、頭部損傷、視覚障害、統合失調症といった疾患の早期発見や、より正確な診断、治療法の有効性向上などに貢献することが期待されている。
テスラ・エンジニアリングは現在イギリス・ストーリントンに7.0Tマグネットを製造するための新工場を建設している。併せて、同社は超高磁場マグネットの設計・製造の要となる経験豊富な技術者および経営スタッフを数名採用した。新しい生産ラインで製造される初の製品は2015年後半にGEヘルスケアに納品される予定だ。
GEヘルスケアMR事業部のリチャード・ハウスマン事業部長兼CEOは、「この提携によりGEは、テクノロジー、科学、医学の分野で蓄積した専門知識やミッションを共有することで、優れたMRIの研究者や専門家と協力関係を深めていくことが可能になります。GEの7.0T MRIシステムを導入しているアメリカ、ヨーロッパ、アジアの研究機関ではすでに、アルツハイマー病や外傷性脳損傷、認知生理学に対する理解を深め、画期的な発見を生み出しています。当社ではさらに、神経科学をはじめとしたMRIの新領域を開拓してまいります」とコメントしている。
また、テスラ・エンジニアリングのマイク・ベッグ常務執行取締役は、「当社は、GEと提携してMRマグネットの技術発展における先導的役割を担うことができ大変喜ばしく思っています。これは当社の強みである超伝導磁石の技術、そして低温工学における中核技術を補完してさらに発展させるための確かなビジネスチャンスです」と述べている。

*1: 2014年6月現在、薬事認証が得られている臨床用MRIは3.0Tまでであり、7.0Tは薬事未承認品として研究用に使われている。

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