富士フイルム(株)は、国立大学法人東京医科歯科大学および、ブラジル連邦共和国州立サンパウロ大学付属病院と、ブラジルにおける、「日本式大腸がん検診システム」普及推進*1に関して、平成26年7月31日に基本合意を締結したと発表した。
今後、3者は協力して、ブラジルにおいて、同システムの普及と人材育成を推進していく。
「日本式大腸がん検診システム」とは、被験者に便潜血検査を行い、その結果、陽性反応を示した人に大腸の内視鏡検査を行うことで、大腸がんを発見する方法。大腸がんの検診としては、日本では一般的な方法で、日本の医療機関はこれまでに培った多くの経験とノウハウを保有している。
富士フイルムは、大腸の内視鏡検査に用いられる内視鏡をサンパウロ大学付属病院をはじめ、現地の医療機関に提供する。東京医科歯科大は、サンパウロ大学付属病院などが設置した研修センターで、現地の医師向けに、日本で行われている拡大内視鏡や特殊光診断技術といった早期がん診断能力向上のためのトレーニングを行う。
新興国では、がんによる死亡率の増加が大きな問題となっている。なかでも生活水準の向上や食生活の変化を背景に、大腸がんが顕著に増加。中南米の中で最も人口が多いブラジルにおいても、大腸がんの罹患者が増大しており、検診によって早期発見することが喫緊の課題おなっている。このような中、昨年より、経済産業省の支援を得て、日本の優れた医療技術と、内視鏡や検査薬などの医療機器・材料を活用した「日本式大腸がん検診システム」をブラジルで普及させるための実証調査を、富士フイルム(株)、東京医科歯科大、サンパウロ大学付属病院などが協力して実施してきた。その結果、「日本式大腸がん検診システム」の有用性が確認されたことから、今後、ブラジルにおいて、さらに検診システムの普及や人材育成を加速させるために、今回、3者が協力していくことを決めたもの。
*1 経済産業省より、平成25年度補正「医療国際展開加速化促進事業」に係る委託事業の一つとして支援を受けている。
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