GEヘルスケア、乳がんに関する世界10カ国意識調査を実施~4人中3人が、乳がん発症リスクを4~5倍高める“デンスブレスト”を「知らない」。乳がんの症状を答えられない日本人は約25%~
GEヘルスケアは、日本を含む世界10カ国10,000人の成人を対象に、乳がん啓発月間にあわせ、乳がんに関する症状やリスク等の知識について尋ねる調査を実施し、10月2日にその結果を発表した。
GEヘルスケア・ジャパン(株)は、同調査の結果から日本に関する項目を抽出し、海外の結果との比較を行った。その結果、乳がんの症状を一つも答えられない人が23%もいるなど、日本人は世界と比較しても乳がんについての知識が乏しいことがわかった。また、アジア人に多く見られるデンスブレスト*1(乳房組織が密着した「高濃度乳腺」。50歳以下のアジア人の79%がデンスブレスト)であった場合に、乳がん発症のリスクが4~5倍高まる*2ことについても、ほとんどの人は知らないことが明らかになった。
さらに、乳がん検診受診率は、欧米の70~80%に対し日本は30%台とOECD加盟国30カ国の中で最低レベルであり、乳がん死亡率も上昇傾向にあるのが現状である*3。
10月は世界的な乳がん啓発月間だが、同社では、一人でも多くの女性が乳がんに関する正しい知識を身に着け、早期発見のために定期的な検診を受けるなど自発的に行動していけるようサポートを続けている。
1. 日本人の半数は、乳がんの症状について「知らない」と回答
「乳がんの主な症状をどの程度ご存知ですか?」との質問に対し、日本では52%の回答者が「あまり知らない」「全く知らない」と回答(グローバ平均:42%)した。また、日本人回答者の23%(「該当なし:10%」「わからない:13%」を含む)は乳がんの兆候や症状の可能性について、症状をひとつも答えられなかった。※グローバル平均は12%(「該当なし:2%」「わからない:10%」)。
2. 特に日本ではデンスブレトのリスクを知らない人が多い
~乳がんとの関係性を知っているのは各国の比較でもっとも低い2%~
「過去6ヶ月以内に、「デンスブレスト」(乳房組織が密着した「高濃度乳腺」)について見聞きしたことがありますか?」との質問に対し、日本では4%が「はい」と回答し、調査10カ国中で最も低い割合(グローバル平均:21%)だった。
「デンスブレストと乳がんの発症の関係についてご存知ですか?」の質問に対し「はい」と回答した日本人は2%(グローバル平均は27%)と10カ国で一番低い数値になった。
3.デンスブレストの調べ方を知らない人が日本では半数以上
「デンスブレストはどのように発見することができるでしょうか」との質問に対し、日本では回答者の25%は「定期的にマンモグラフィ検査を受ける」(グローバル平均:58%)と正しく答えられたが、半数以上は「知らない」と回答。
4.デンスブレストとマンモグラフィ(乳房X線撮影装置)の関係性について「わからない」が日本では8割
「デンスブレストとマンモグラフィはどのような関係がありますか?」との質問に対し、日本は81%が「わからない」と回答(グローバル平均:50%)。デンスブレストの場合、マンモグラフィの撮像では病変が白く重なりがんが見つけづらくなると正しく答えられた人は8%のみだった。
●調査概要
調査対象国:オーストラリア、ブラジル、中国、インド、インドネシア、日本、ロシア、韓国、イギリス、アメリカの計10カ国
サンプル数:10,000サンプル(各国約1,000サンプル)
調査方法:インターネット調査
調査時期:2014年6月
調査実施元:ミルワード・ブラウン(Millward Brown)
*GEヘルスケアが発表した英語版プレスリリースはこちら。
GE Healthcare Study: Most People Unaware that Women with High Breast Density are 4 to 5 Times More Likely to Develop Breast Cancer
【Q】乳がんの主な症状をどの程度ご存知ですか?
【Q】乳がんの兆候や症状にどれが当てはまりますか?※グローバル回答上位2つを抽出し、比較
【Q】過去6ヶ月以内に、「デンスブレスト」(乳房組織が密着した「高濃度乳腺」)について見聞きしたことがありますか?
【Q】デンスブレストと乳がんの発症の関係についてご存知ですか?
【Q】デンスブレストはどのように発見することができるでしょうか?
【Q】デンスブレストとマンモグラフィはどのような関係がありますか?
●参考情報
乳腺構造が発達して乳房領域が真っ白な領域で覆われる「デンスブレスト(高濃度乳腺)」は、欧米人に比べて日本人の乳房に高い頻度で出現する傾向にあると言われおり、マンモグラフィで白く描出される腫瘍との判別がしづらいという課題がある。日本における乳がん検診としてガイドライン化されているマンモグラフィによる検診では、被検者がデンスブレストである場合の病変の描出に限界があり、現在、検査における影響がされにくい超音波画像診断装置との併用の検証が進められている。
米国ではマンモグラフィ検診で女性がデンスブレストと判明した場合に、医師がその旨を通知する義務を負う「Breast DensityNotificationsLaw」があり、2014年9月末時点で19州にて施行されている。
*1 Jeffrey A. Tice et at, Ann Intern Med. Mar 4, 2008; 148(5): 337–347.
*2 Boyd et al, New England Journal of medicine 2007; 356: 227-236
*3 OECDHealth Data 2013より
●お問い合わせ先
GEヘルスケア・ジャパン(株)
コミュニケーション本部ブランチャード/松井
Tel: 0120-202-021
URL:http://www3.gehealthcare.co.jp/