(株)NTTデータ(社長:山下 徹、以下:NTTデータ)は、公立大学法人福島県立医科大学(理事長:菊地 臣一、以下:福島医大)が主に避難所などで実施している巡回診療を支援するために、クラウドサービスとタブレット端末を活用した「巡回診療支援システム」を構築し、無償で提供した。
巡回先で医師がタブレット型モバイル端末から「巡回診療支援システム」にアクセスし、福島医大が実施した過去の巡回診療の受診者記録を確認しながら診療することができる。
避難所などでの巡回診療の多くは受診者の記録を紙で管理しており、医師間の情報共有や過去の診療結果に対する時系列での検索・確認などに時間がかかり、同じ内容を何度も受診者に確認しなければならなかった。しかし、「巡回診療支援システム」を利用し、医師が過去情報を参照することで、巡回診療を受ける住民にとっては、きめ細かな医療を安心して受けることができる。
福島医大では、3月11日の震災後より、福島県内の避難所住民に対して巡回診療を行っている。 しかし、紙媒体で診療の記録を管理しているため、過去の診療結果の共有や検索・確認が困難であり、被災地での巡回診療の難しさに直面していた。 そこで、NTTデータは、福島医大からのヒアリングをもとに、巡回診療の高度化にITを活用した支援が有効であると判断し、NTTデータの「医療情報連携プラットフォーム」を活用した「巡回診療支援システム」を3週間で構築*1し、無償で提供した。
*1: 本システムは、クラウド基盤技術やオンデマンドVPN技術などを活用し、救急医療情報ネットワークなどで培ったノウハウを活かして短時間で構築したもの。
■「巡回診療支援システム」の概要
「巡回診療支援システム」のデータベースに、過去および日々の診療結果(紙)をスキャナーで電子化・保存し、受診者基本情報をもとに受診者情報を紐づける。医師は持ち運びが容易なタブレット端末(NTTドコモGALAXY Tab)で巡回診療先からアクセスすることで、受診者の記録を確認しながら診療することができる。 「巡回診療支援システム」のネットワークおよび情報管理においては、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に準拠したセキュリティ対策を実施している。
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