このイベントは、情報活用の重要性が益々高まり、グローバル化で企業にとっても迅速な対応やビジネスモデルの変革が求められているなか、日立グループのビジネスや社会の革新に向けた取り組みを講演やセミナー、展示を通して幅広く紹介するものだ。会期中には、中西宏明氏((株)日立製作所 執行役会長 兼 CEO)の「人々の未来を拓く社会イノベーション~新たな協創による成長をめざして~」と題した基調講演や齊藤 裕((株)日立製作所執行役副社長、情報・通信システムグループ長兼情報・通信システム社社長)によるビジネスセッション等が行われた。
ヘルスケアのブースでは、超音波診断装置「ARIETTA70」が展示された。“ARIETTA” はHI VISION シリーズ(日立メディコ社製)とProSoundシリーズ(旧アロカ社製)で長年培ってきた技術を融合させた新たな超音波診断装置。
これまでの豊富なプローブラインナップを進化させ、Multi-Layer Crystal Technologyにより高感度、高分解能を、また新型コネクタとの組み合わせにより耐ノイズ性の向上と扱いやすさを実現、また組織のひずみをリアルタイムに画像化し硬さの情報を提供するReal-time Tissue Elastography、心筋の動きや内腔・時相の変化を評価する2D Tissue Trackingなど、豊富な機能によって幅広い臨床用途に寄与するという。
さらに人間工学にもとづいた設計で、検査時の目へのストレス低減や手の移動を少なくするスイッチ配置、誤操作の防止にも配慮している。
また同ブースでは、陽子線治療システム「PROBEAT-Ⅲ」のミニチュアも展示された。このPROBEAT-Ⅲは、2007年12月にスポットスキャニング照射技術を採用した陽子線治療装置としては世界で初めて、米国での510(k)クリアランスを取得。さらに2008年には、同技術を採用したシステムを一般病院としては世界で初めて、世界最大級のがん専門病院である米国のテキサス大学のMDアンダーソンがんセンターに納入されている。
このスポットスキャニング照射技術は、数多くの点状のビームを三次元的に照射すること。複雑な形状のがんにも精度よく陽子線を照射することができる、患者ごとに製作が必要な患者コリメータやボーラスが不要であること、陽子ビームの利用効率が高く、散乱による中性子などの不要な放射線の発生が少ないといった特徴がある。
何 棟輝氏((株)日立製作所ヘルスケア社ヘルスケア事業部)は、「海外の著名な病院への販売実績があり、高く評価されている。今後も国内はもちろん、海外でも販路開拓していきたい」と語る。
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(株)日立製作所
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