地域版Silver to Gold戦略モデル実現へ
東京都日野市とGEヘルスケア・ジャパン(株)は11月17日、都内で記者会見を開催し、「少子高齢社会における地域連携モデルづくりのためのパートナーシップ協定」を同日付けで締結したと発表した。日野市と、同市に本社があるGEは今後、地域の医療と産業が抱える課題に産官協働で取り組み、両者が保有する人材やノウハウ、ネットワークなどを活用した「ソーシャル・イノベーション」の創出を目指す。
日野市は現在、少子高齢化や産業構造の転換などの都市課題を踏まえ、①人口バランス・定住化促進、②産業立地強化・雇用確保、③ヘルスケア・ウェルネスの3つ戦略を策定。職住近接のまちづくりを進めている。
大坪冬彦氏(日野市長)は会見で「諸力融合による地域と産業のイノベーション」をテーマにあいさつ。「日野市と民間企業、大学、地域団体が協働し、市民生活を向上させる新たなビジネスを創出したい」と述べ、課題解決に意欲を示した。
一方、GEは2009年から世界規模で積極展開している、身近で質の高い医療の実現を目指す「ヘルシーマジネーション戦略」のもと、日本の超高齢社会に対応した医療の変革を図る「Silver to Gold戦略」を推進している。
川上潤氏(GEヘルスケア・ジャパン社長)は、同社が青森県で取り組んでいる「ヘルスプロモーションカー」の事例を紹介した。小型超音波診断装置や心電計などの医療機器を搭載した4輪駆動の軽ワゴン車を活用し、孤立集落などを往診するもの。地域医療の向上が急がれるなか、在宅医療インフラの整備に対応する日本発のビジネスモデルだ。同氏は「東日本大震災の被災地の医療支援で培ったノウハウを生かしながら、地域版Silver to Goldモデルを広く発信していきたい」との抱負を述べ、市民のQOL(生活の質)向上に積極的に貢献していく考えを示した。