Digital Breast Tomosynthesisの有用性
国家公務員共済組合連合会平塚共済病院
谷 和行
Digital Breast Tomosynthesis(以下DBT)とは、X線管を移動させながらパルス状のX線を数回照射し、取り込んだそれぞれの画像情報から多層の断層像を描出する技術である。原理は、古くから行われていた一般撮影領域の断層撮影であるが、一回の撮影で一枚の断層像しか得られなかった従来の断層撮影とは異なり、一回の撮影で多層の断層像を再構成画像として取得できる長所がある。また、従来のMMG(以下2D)と比較し、前後の重なりを排除できることや、病変の位置情報が明瞭になることなどの長所も唱えられる。しかし、その一方では、被ばく量の増加や撮影時間の延長、小さな良性病変を拾い過ぎるなどの問題点も挙げられている。
ここでは、当院で行っているDBT撮影の経験から、DBTの有用性を検討したことを述べる。