RSNA2014では、Aquilion ONEシリーズの最新バージョンとして、新開発のソフトウェア「Ver.7.0」を発表した。またハードウェアの進歩として、素材と加工から見直し機能強化を図った新たな検出器PUREViSION Detectorを公開した。
PUREViSION Detectorは、感度の高い検出器マテリアル、光電子増倍管、データ収集部などを組み合わせた技術。今後、同社のAquilionシリーズへ搭載される。GOSシンチレーターは活性添加剤にプラセオジムを使用し、最適な化合組成により光出力を最大化させることを狙った。入射X線に対するX線効率は99%まで向上。プラセオジム添加の効果として、シンチレーターの短いアフターグローにより素早い発光減衰時間を実現し、超高速撮影と高解像度画像を実現した。また、同社の半導体研究開発技術によって培われた独自の精巧な極小切断(マイクロブレード)技術を用いて、検出器を塊から数ミクロンの精度で切断する際に、素材の損傷を最小限に抑制したことで、素材の均一性(完全性)を保持した。
さらにデータ収集装置(DAS)では回路の大きさを約半分にし、信号品質を低下させる電気ノイズの抑制と消費電力の低減を両立した。
※プラセオジムは光ファイバーや高性能磁石などに使用されるレアアース
ソフトウェアVer.7.0では、逐次近似応用画像再構成技術AIDR 3Dが進化して高画質と低被ばくを更に追求した。また4D脳動脈形態計測、4D 気管支トラッキング、4D 骨関節計測など4D解析アプリケーションが充実し動態診断をサポートする。この他、心臓検査の精度を上げる補正技術Adaptive Motion Correction、ヘリカルスキャンにも対応した金属アーチファクト低減技術Helical SEMARなど。これらの最新クリニカルソフトウェアを総称して「Functional Suite(ファンクショナルスイート)」と呼ぶ。