富士フイルムメディカルは1月17日、新大阪トラストタワー(大阪府大阪市)にて「臨床現場で活躍するSYNAPSE VINCENT」というテーマでセミナーを開催。臨床での活用法が講演されたほか、診療放射線技師からは各医療機関での導入事例と使用例が報告された。
李 元中氏
島田健永氏
中尾俊春氏
川合航大氏
西久保直嗣氏
山本 剛氏
寺嶋宏明氏
陳 豊史氏
会場に展示されたVINCENTの解説を熱心に聞く来場者
会場を埋め尽くした大勢の来場者
はじめに、オープニングプレゼンテーションとして、李 元中氏(富士フイルム画像技術センター)が「VINCENTを支える基礎技術について」と題して講演。同社の研究開発の方法や特長、顔認識をはじめとする様々なコア技術を利用して3D画像認識技術を進化させていることなど、同社の技術開発について解説を行った。
続いて、島田健永氏(大阪市立大学)が「VINCENT 使う~誰のために、何のために~」と題して基調講演。「最近は20~50代の若い人の心筋梗塞が増えており、診断が困難で死亡率も高い。OCT(光干渉断層計)で心筋梗塞のプラークを診断できるが、検査には入院が必要。しかし体に異常が出ないため、特に現役の人にはなかなか入院してもらえない」と現状を説明。その上で「45分でできるCTなら皆さん来てくれる。冠動脈CTでナプキンリングサインを見つけるしかない。最近の研究では、これがあると2年以内に心筋梗塞になる可能性が高いことが判明した」と解説し、「VINCENTを誰のために使うか? こういった若くて見つかりにくい患者さんのために使ってほしい。臨床の現場では、画像診断がますます重要になってくる」と論じた。
続いて第2部「ユーザーセッション」として、4人の診療放射線技師が自分の勤務している病院のSYNAPSEやVINCENTについて説明した。座長は、基調講演を行った島田健永氏が務め、中尾俊春氏(森之宮病院)、川合航大氏(大阪府立呼吸器アレルギー医療センター)、西久保直嗣氏(高井病院)、山本 剛氏(大阪警察病院)が、それぞれの医療機関でのSYNAPSEやVINCENTの用途、導入で変化したこと、メリットなどについて実例を挙げながら説明をした。いずれの事例でも、3D画像作成時間の大幅な短縮、自動制作技術の向上、簡便な操作により誰でも作業がしやすいこと、などが報告された。
第3部の特別講演では、まず寺嶋宏明氏(北野病院消化器センター)が「肝臓外科領域でのVINCENTの活用」と題して登壇。「従来はCTで撮影した2Dの画像から手術をシミュレーションしていたが、VINCENTでは3D画像でのシミュレーションが可能になり、経験や知識を補ってくれる。イメージトレーニングを共用できる上、患者への説明も分かりやすい」などとメリットを紹介。指導医から中堅・若手医師に説得性に富んだ教育ができると語った。
さらに「CT画像とSPECT画像をfusionさせると、肝臓の機能する体積量を算出できる」と、症例を示しながら解説した。そして「VINCENTは、術前診断・シミュレーションに大いなる変革をもたらした。また、若手外科医への教育にも有用だ。新しい装置を用いて、患者に貢献していきたい」と結んだ。
最後に陳 豊史氏(京都大学)が「呼吸器外科領域における画像支援 VINCENTの活用」と題して特別講演。「呼吸器外科領域では、複雑な手術の3D作成は遅れているが、手術のシミュレーションにVINCENTを活用している」と解説。一方で「呼吸器外科手術でのナビゲーションはまだ保険適用されていないので、承認が待たれる」と述べた。
また、「外科医のVINCENTの使い方の実際」として「ワンクリックで操作しやすく、誰が操作しても同じクオリティを得られる」と、手術のシミュレーションのしやすさを評価した。そして「手術の低侵襲化、手術の複雑化、画像診断技術の進歩によって、安全な手術と安全な術式の開発、微少肺癌に対する部分切除や区域切除といった需要に応えるために、画像支援の需要は増加しており、同領域の医療への応用はさらに進むであろう」と結んだ。
当日は約130名もの来場者が訪れ、会場は熱気に包まれていた。
続いて、島田健永氏(大阪市立大学)が「VINCENT 使う~誰のために、何のために~」と題して基調講演。「最近は20~50代の若い人の心筋梗塞が増えており、診断が困難で死亡率も高い。OCT(光干渉断層計)で心筋梗塞のプラークを診断できるが、検査には入院が必要。しかし体に異常が出ないため、特に現役の人にはなかなか入院してもらえない」と現状を説明。その上で「45分でできるCTなら皆さん来てくれる。冠動脈CTでナプキンリングサインを見つけるしかない。最近の研究では、これがあると2年以内に心筋梗塞になる可能性が高いことが判明した」と解説し、「VINCENTを誰のために使うか? こういった若くて見つかりにくい患者さんのために使ってほしい。臨床の現場では、画像診断がますます重要になってくる」と論じた。
続いて第2部「ユーザーセッション」として、4人の診療放射線技師が自分の勤務している病院のSYNAPSEやVINCENTについて説明した。座長は、基調講演を行った島田健永氏が務め、中尾俊春氏(森之宮病院)、川合航大氏(大阪府立呼吸器アレルギー医療センター)、西久保直嗣氏(高井病院)、山本 剛氏(大阪警察病院)が、それぞれの医療機関でのSYNAPSEやVINCENTの用途、導入で変化したこと、メリットなどについて実例を挙げながら説明をした。いずれの事例でも、3D画像作成時間の大幅な短縮、自動制作技術の向上、簡便な操作により誰でも作業がしやすいこと、などが報告された。
第3部の特別講演では、まず寺嶋宏明氏(北野病院消化器センター)が「肝臓外科領域でのVINCENTの活用」と題して登壇。「従来はCTで撮影した2Dの画像から手術をシミュレーションしていたが、VINCENTでは3D画像でのシミュレーションが可能になり、経験や知識を補ってくれる。イメージトレーニングを共用できる上、患者への説明も分かりやすい」などとメリットを紹介。指導医から中堅・若手医師に説得性に富んだ教育ができると語った。
さらに「CT画像とSPECT画像をfusionさせると、肝臓の機能する体積量を算出できる」と、症例を示しながら解説した。そして「VINCENTは、術前診断・シミュレーションに大いなる変革をもたらした。また、若手外科医への教育にも有用だ。新しい装置を用いて、患者に貢献していきたい」と結んだ。
最後に陳 豊史氏(京都大学)が「呼吸器外科領域における画像支援 VINCENTの活用」と題して特別講演。「呼吸器外科領域では、複雑な手術の3D作成は遅れているが、手術のシミュレーションにVINCENTを活用している」と解説。一方で「呼吸器外科手術でのナビゲーションはまだ保険適用されていないので、承認が待たれる」と述べた。
また、「外科医のVINCENTの使い方の実際」として「ワンクリックで操作しやすく、誰が操作しても同じクオリティを得られる」と、手術のシミュレーションのしやすさを評価した。そして「手術の低侵襲化、手術の複雑化、画像診断技術の進歩によって、安全な手術と安全な術式の開発、微少肺癌に対する部分切除や区域切除といった需要に応えるために、画像支援の需要は増加しており、同領域の医療への応用はさらに進むであろう」と結んだ。
当日は約130名もの来場者が訪れ、会場は熱気に包まれていた。