Elanとともに
地域医療のゲートキーパーをVantage Elanで実現 ~町なかの高精度MRI ~
たかだ脳神経外科クリニック

Satellite View~Canon Special Session:Innocent Story~ありのままの医療を求めて
2015.06.17

●たかだ脳神経外科クリニック[MRI]Image Reportはこちらからご覧になれます

Case 1 脳ドック
Case 2 聴神経腫瘍
Case 3 頸椎椎間板ヘルニア
Case 4 椎間板ヘルニアおよび椎間板変性
Case 5 腰痛および右下肢の痺れ
Case 6 変形性膝関節症
Case 7 右膝半月板損傷疑い

 

たかだ脳神経外科クリニック
〒247-0056 神奈川県鎌倉市大船2-18-32-1F
TEL 0467-46-1771
髙田寛人氏
たかだ脳神経外科クリニック院長
地域医療のゲートキーパーを
Vantage Elanで実現
~町なかの高精度MRI ~

たかだ脳神経外科クリニック

2014年4月に開業し、地域医療の要として信頼を高めつつあるたかだ脳神経外科クリニック。たかだ脳神経外科クリニックは開業時、MRI導入を決めるにあたり、3つの目標を掲げていた。第1にテナントとして入居するビルのレイアウトを最大限有効活用できるコンパクトなMRIであること、第2に診診・病診連携の前提となる高い画質と撮影の速さ、第3に安定した収益の実現。このハードルをクリアしたのがVantageElanだ。髙田寛人院長に開業の経緯とVantage Elanを選択した理由を伺った。

地域診療にMRIを活用したいとの思いを実現したクリニック
たかだ脳神経外科クリニックは、2014年4月に鎌倉市大船に開業したばかりで、まだ真新しい雰囲気が漂う。院長の髙田氏は脳神経外科医として25年以上神奈川県内で活躍してこられたベテランだ。たかだ脳神経外科クリニックのMRI検査は即日結果報告を方針としている。問診で脳の病気なのか首や腰の病気なのかを見きわめ、MRIで診断し、画像診断の結果から治療方針を決定する。開業から6 ヶ月での外来患者数は1日20~30人、そのうちMRI検査を受ける患者数は約10 ~ 15人と増加傾向にある。来院する患者の半数がMRI診断を受けるという。受診者の中には、病診連携・診診連携として他院からのMRI撮像の依頼により、クリニックを受診される方もいる。同氏は、「総合病院では検査二週間待ちなどという状況が起こりがちなので、当クリニックに紹介されることが多い。診診連携で近くの整形外科からの腰や膝の検査の依頼も多い」という。

MRI室
設置面積20.35m2と非常にコンパクト(最小設置面積16m2
受付・待合室
コンパクトだから導入できたVantage Elan
クリニック開業準備の段階では1.5TMRIの導入は念頭になかったという同氏。
当初は、0.4 Tの低磁場MRIを導入するつもりで検討していた。入居するビルとフロアが決まっており、そこに入るコンパクトかつ軽量なMRIである必要があったためだ。同氏はフロア内のレイアウトを「待合室と検査室のスペースをできるだけ広く取りたい」と考えており、導入するMRIのサイズはできるだけコンパクトである必要があった。イニシャルコストを抑えたいと考えていたことも大きい要素だった。
しかし開業準備を進めるうちに同氏は低磁場MRIを導入して開業したクリニックが最近1.5 T MRIに更新する事例が増えていることを知り、初期投資が少なくて済むなら当初から1.5 T MRIを導入したいと考えるようになったという。
「1.5T MRIは低磁場MRIと比べて撮影時間が短いので、患者さんにとっては検査が楽になります。当然、画質は1.5Tの方がよいので読影しやすい画質が得られます。」。同氏は1.5T MRIの大きなメリットとしてこの2点を挙げた。
Vantage Elanは機械室のない設計を実現し、設置面積23㎡を実現した業界トップクラスのコンパクトさをほこる1.5T MRI。同氏が描いていた「受付と待合室を広く取ったクリニックの実現」に、まさにVantageElanは最適だった(図1)
東芝製MRI他機種を使用している旧知の医師からも、同社のサポート体制の良さを薦められた。「サポート体制を考えると国内メーカの方がいい、という希望があった」という同氏は、Vantage Elanの導入を決めた。

 

図1 たかだ脳神経外科クリニックの間取り
クリニックの顔である待合室の広さを確保するために、MRI室を最小限のスペースに抑える必要があった。
Vantage Elanは架台、寝台が小型なだけでなく、機械室のない設計で設置できるため、
クラス最小の設置面積を実現した。 総床面積153.91m2(46.55坪)

 

部位別 件数
頭部 750
腰椎 240
頸椎 60
膝関節 50
その他 20
表1 たかだ脳神経外科クリニックのMRI検査数
4月~9月(開業6ヶ月)
1,100件(180〜200件/月)
クリニックの経済性に貢献、磁場強度で変わる診療報酬
導入において同氏は1.5T MRIで得られる診療報酬も重視したという。低磁場MRIはイニシャルコストが安価な反面、1日あたり多くの撮影件数を受けられず、それに起因する診療報酬の低さから、クリニック経営の壁にぶつかるというケースを耳にした同氏。低磁場MRIでは撮影時間は30分前後かかるため、1日10件程度が限界だという。 MRIは高価なモダリティであり、一度導入すれば長期にわたって使用することが多い。5年、10年とわたって使っていけば診療報酬の差は大きくひらいていく。平成26年現在、1.5T以上のMRIの診療報酬は1330点、1.5T未満のMRIでは920点。クリニックの月間MRI診療件数200件をベースに1.5T MRIと低磁場MRIの診療報酬を試算すると、毎月82,000点(82万円)もの差になる。これらの事実が同氏にとって1.5T MRI導入の強い後押しになったという。「どのようなMRIを導入しようと患者さんに対して同じ丁寧な診療をすることにはかわりませんが、診療報酬に由来する収益性の違いが長期で蓄積されてくると、病院経営の観点では大きな差が生まれます」と語る。
開業6 ヶ月でのMRI検査件数は表1のとおり。頭部から頸部でのMRI検査の実施時間は平均15分で済む。Vantage Elanのスループットについて同氏は「全般的に処理が早いと感じている。今はクリニック自体がそれほど忙しくないため、それなりに余裕をもって画像を撮ることができる」という印象をもっている。
ランニングコストについて伺うと、同氏は「想定よりかからないという印象がある。低磁場MRIにくらべれば電力消費は多いとは思うが、今の検査でも十分許容できる範囲と感じている」と述べている。Vantage Elanには省電力モードが搭載されており、定格電力はクラストップレベルの25kVA。その成果が現れているのだろう。

1.5Tの高画質が病診連携・診診連携の重要な“売り”
病診連携・診診連携についてVantageElanはどのような役割を果たしているのか。
同氏は連携先の総合病院の医師より「1.5T MRIでなければ、脊椎のMRI検査を依頼するつもりはない」と開業準備中に言われたことを明かす。脳神経外科や整形外科の分野では、MRI画像は高コントラスト、高分解能であることが求められる。DWI、T2が鮮明であること、MRAが鮮明で再構成の処理が速いこと、VSRAD(早期アルツハイマー病診断支援システム)が使えること、頸部血管のプラーク描出が明瞭であること、同様に頸椎や胸椎の描出が良好であることなども必須条件に挙げる。特に頸椎は低磁場MRIでは、脊髄や脊柱管の判別がつかないほど画像が荒くなるが、Vantage Elanは髄内の構造がよく分かり、明確に読影できる画像だと語る。
加えて実際に開業してからの稼働状況は、開業後の他院からのMRI依頼は検査のみが300件で、診察+MRI検査件数は月20件前後とのこと。撮影時間のかかる低磁場MRIを導入していたら、この件数はこなせなかっただろうと同氏はいう。
連携先他院の整形外科の先生からも、Vantage Elanの画像は鮮明で診断しやすいと言われたそうだ。「正確かつ迅速な診断に耐えうる画質を求めるなら、やはりクリニックでも1.5T MRIは必須」と同氏は確信する。東芝が提案した必要十分なコイル構成が同院のニーズにマッチしていたからこそ、同院のMRIが全身の検査に対応でき、髙田氏もコストパフォーマンスの良さを実感しているのだろう。

受診者に好評 低騒音設計のVantage Elan
音の感覚は人それぞれではあるが、MRIの静音性についての受診者の感想はどのようなものだろうか。同氏は「(Vantage Elanは)ほんとうに静かですね、とおっしゃった受診者がいた」と語った。MRI検査時の音による不安からパニックをおこし、検査を完了できなかった経験をもつ方がクリニックに来院したこともあったが、Vantage Elanでの検査は最後まで受けることができたという。同氏はVantage Elan導入でMRI受診者の間口が広がった、と手ごたえを感じている。

宮下夏子氏
たかだ脳神経外科クリニックMRI担当技師
MRI操作初心者でもミスなく正確かつ迅速な診断を実現
Vantage Elanを操作する技師の宮下氏は、血液分析などをメインとした臨床検査技師として働いていた。MRIは同クリニックで初めて扱ったという。操作性については「わかりやすい」(宮下氏)と感じているようだ。最近では1日18人のMRI検査をこなすまでになったという。
開業の際に髙田氏がこだわり抜いた検査室のレイアウトについても「十分広いと感じている」(宮下氏)。受診者が検査室に入っても狭さは感じず、ワークスペースは十分確保されていると感じているそうだ。Vantage Elanには、位置決めや条件設定をサポートする「EasyTech」、体動補正機能「JET」、脊椎の形状を自動計測して位置決めをサポートする「SpineLine」など、短時間かつ高精度な検査を実現する臨床ソフトウェアが多数搭載されている。MRIの操作に熟達していない方でも、簡便かつ確実に高度な検査を実施することができるのだ。
またVantage Elanは設置工程が大変短く、新設なら搬入から総合チェックまで最短5日で導入できる。同社トレーニングセンターの「MRトレーニングアカデミー」で技師はMRIの基礎知識を学び、操作のトレーニングを受けることで、据え付け後すぐに臨床検査を開始できるようになる。

●Vantage Elanによる代表的症例

takada_07
85歳 女性
3ヶ月前より繰り返す左上肢の脱力、構語障害あり。
画像にて所見あり、近くの連携している総合病院 脳卒中診療科に緊急紹介。
後日、頸動脈ステント術実施となった例。

takada_08
脳動脈瘤
3D−MRAを患者さんにわかりやすいVR画像で提示している。
bleb(矢印)の存在が明瞭。

Vantage Elanは大船地域住民の健康を見守るゲートキーパー
たかだ脳神経外科クリニックは、大船地域のMRI診療のかかりつけ医として患者さんを診断し、地域の中核病院に適宜紹介する病診連携・診診連携のゲートキーパーの役割を果たしている。そんなクリニックのコンセプトに寄り添うのが、町なかのMRIとしてコンパクト性、高画質、高い収益性を実現したVantage Elanだ。今後の日本における高齢者医療・地域医療ニーズにマッチしているVantage Elanは、クリニックの精鋭スタッフと共に髙田院長の地域医療への思いを実現するべく日々活躍している。

(本記事は RadFan2015年1月号、ならびに、別冊「Elanとともに」に掲載された内容をもとに作成しております)