エレクタ(株)は、脳内疾患に対する定位放射線治療機器「レクセル ガンマナイフ®」について、2015年3月26日に「薬物療法による疼痛管理が困難な三叉神経痛治療」に対する適応追加の承認を厚生労働省より取得した。
国内では1991年に承認されて以来、転移性脳腫瘍をはじめとする脳腫瘍、脳血管障害の治療に用いられてきた。2013年末現在全世界で約81万人の患者さんの治療に貢献しているという。
三叉神経痛は多くの場合、血管による神経への強い接触と圧迫によって起こる。顔面や口内へのわずかな刺激が強く増幅され、脳幹から大脳へ激痛として伝わる。麻酔なしで抜かれた歯の神経に火柱を突っ込まれるような痛みと表現している患者さんは多く、難治性疼痛の代表と言われている。日本では男性は10万人あたり2.7~10.8人、女性では5.0~20.2人程度と女性に多い疾患である(注1)。加齢に伴う動脈硬化性変化が主な原因とされ、65歳以上の高齢者に多い疾患と言われている。
すでに世界各国では1991年から2013年までの間に5万人以上の患者さんがガンマナイフによる治療を受けており、三叉神経痛に対する非侵襲的治療として広く普及している。
同社社長檜垣修一は次のように述べている。「この度の適応追加は、三叉神経痛の治療に新たな選択肢を提供するものであると考えております。三叉神経痛は患者さんのQOL(生活の質)に及ぼす影響が大きく、この承認によって三叉神経痛に苦しむ多くの患者さんの生活向上に向けて大きく貢献してまいります」
以上
注1 日本神経治療学会治療指針作成委員会編集「標準的神経治療:三叉神経痛」レクセル ガンマナイフ®について
この度の承認により「レクセル ガンマナイフ®」の使用目的、効能・効果は以下のようになった。
【使用目的、効能・効果】
下記の脳内疾患及び機能性脳疾患におけるガンマ線照射による非切開手術に使用することを目的とする。
① 脳血管障害、例えば脳動静脈奇形など
② 脳腫瘍、例えば聴神経腫瘍、下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫、松果体腫瘍、髄膜腫など
③ 薬物療法による疼痛管理が困難な三叉神経痛
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