日立メディコ、1.5テスラ超電導MRIシステム「ECHELON OVAL type ORIGIN 5」を発売

2015.04.16

(株)日立メディコは、静磁場強度1.5テスラの超電導MRI装置「ECHELON OVAL type ORIGIN 5」を発売する。本製品は2015国際医用画像総合展(ITEM2015)に展示予定。
 1.5テスラ超電導MRIシステム「ECHELON OVAL」(2012年発売)は、横幅74cmのOVAL(楕円)ボアをはじめとする高いハードウェア性能に加え、高画質化機能、豊富なアプリケーションを備える。同社はこのたび、さらなる高画質と高機能を実現した「ECHELON OVAL type ORIGIN 5」を発売する。
 
「ECHELON OVALtype ORIGIN 5」装置外観
 

■主な特長
(1)診断・治療に有用な高機能アプリケーション
①脳の微細構造情報を得る撮影機能
MRI検査により脳神経の構造や機能的なつながりを描出することは、パーキンソン病などの神経変性疾患や脳腫瘍の悪性度診断に有用とされている。
同社は、細胞膜や細胞内の小器官等により水分子の拡散が制限される現象(制限拡散)を強調して計測するDKI(*1)機能を搭載。DKI機能は、臨床的に神経変性疾患の早期鑑別に役立ち、虚血の重症度や腫瘍の悪性度の判定などにも貢献すると期待される。
 
②頭部血管撮影に拡大した動きの影響低減機能
一般的にMRIの撮影時間は数分程度を要するため、被検者の動きに起因する画像のひずみを低減することが求められる。特に救急患者の撮影では頭部を固定することが困難な場合もあり、撮影できない例もあった。
今回、当社のモーションアーチファクト低減撮影技術「RADAR」を頭部血管撮影にも拡大適用し、撮影の可能性を拡げた。
 
③肝臓の血行状態を可視化する非造影撮影機能
狭窄などによる血行動態変化を可視化するため目的血管を選択的に抑制する日立の独自技術をこれまでの頭部領域に加え、肝臓にも適用。肝臓血管の血行動態情報を得ることで、治療方法の決定や、術後のフォローなど多くの効果が期待される。
 
④乳房の高精細撮影機能
脳神経領域において腫瘍の鑑別などに用いられているMRスペクトロスコピー計測(*2)機能を乳房MRI検査にも適用。
 
⑤心臓撮影機能の充実
心臓内部の血流速度の画像化や心電図同期の不要な撮影手法の搭載など心臓撮影機能の充実を図った。
 
(2)広い検査空間
体格の大きい人や狭い所を苦手とする人にとっても開放感をより感じられるように、横幅74cmのOVAL(楕円)ボアを採用。
また、解放的に検査できるように横幅63cmのワイド寝台を搭載。横幅が広いため、高画質が得られる磁場中心に撮影部位を移動することができる。
 
(3)高いワークフロー
ワークフロー向上技術「WIT(*3)」を搭載したRFコイルシステムにより、頭部から体幹部撮影において寝台天板に設置した受信コイルを外すことなく、撮影したい部位の受信コイルを乗せ換えるだけで簡便に最適な感度分布で撮影できる。
また、着脱可能な寝台「WIT Mobile Table」を採用し、2台目の寝台(*4)を用意することで1人目の撮影中に2人目の撮影準備を整えることができる。
 

■販売名
日立MRイメージング装置 ECHELON OVAL
(医療機器認証番号:第224ABBZX00041000号)
 
■定価(標準構成)
12億円 (システム構成により価格は異なる)
 
■発売時期
2015年4月17日
 
*1:Diffusion Kurtosis Imaging (拡散尖度画像)
*2:MRIの信号周波数を分析して組成を解析する手法
*3:Workflow Integrated Technology
*4:オプション
 

■お問い合わせ先
株式会社日立メディコ 国内MR・CT営業部
TEL:03-3526-8306
URL:https://www.hitachi-medical.co.jp/index.html