ECHELON OVAL type ORIGIN 5は、2012年に発売された1.5T MRI「ECHELON OVAL」に独自の高機能なアプリケーションを搭載したモデルとなる。
ECHELON OVALは楕円形のワイドボア(横幅74cm)を特徴とし、さまざまな患部をMRIの中央に設置することができる。またワークフロー向上技術WIT(Workflow Integrated Technology)を搭載したRFコイルシステムにより、頭部から体幹部撮影まで、撮影したい部位の受信コイルを載せかえるだけで最適な感度分布を保って撮影することが可能。
今回搭載されているORIGIN 5は5つの大きな機能から成り立っている。
1.DKI(diffusion kurtosis imaging)
水分子の自由拡散を測定していたDWI、DTIの次世代として、水分子の制限拡散を強調して計測するDKI機能を搭載。パーキンソン病などの神経変性疾患の早期鑑別等に役立つことが臨床で検証されつつある。
2.SelectiveMRA
これまで頭部領域で使われていた、目的血管を選択的に抑制する同社独自技術を肝臓にも応用。門脈の血行動態情報を得やすくし、造影検査なしで治療方法の決定の支援等が行われるようになることが期待されている。
3.ALL Round RADAR
同社のモーションアーチファクト低減撮影技術「RADAR」を頭部血管撮影にも拡大、アンギオグラフィへの応用が可能になった(TOF/GrE対応)。全方位から頭部の中央を常に撮影していくことによって、救急患者やてんかんの患者など、重要な部位への被検者の動きによるアーチファクトを低減することができる。
4.Usability MRS/CSI
脳神経領域において腫瘍の鑑別などに用いられていたMRスペクトロスコピー計測機能を乳房MRI検査にも適用。MRIの信号周波数より組成を解析し、コンソールで見ることができる。治療効果判定への応用も可能だという。
5.Others
全体を通して、高い操作性、選べるGUIなどユーザーライクな設計になっている。
ORIGIN 5は、施設導入済みのECHELON OVALにも追加が可能。また同社3.0T MRIへの導入も進めていく予定だという。
写真は3.0T MRI「TRILLIUM OVAL」。1.5T同様に楕円形のワイドボア、WIT技術が特徴