●背景と狙い
同社は2009年のカラー超音波画像診断装置「SONIMAGE(ソニマージュ)513」発売以来、国内で超音波画像診断装置を販売してきた。近年は、主力のX線画像診断分野、医療IT(情報技術)分野に次ぐ第三の分野として超音波分野を位置づけ、2013年には手のひらサイズの 携帯型超音波画像診断装置「SONIMAGE P3」を日米同時発売、2014年1月にはパナソニックヘルスケア(株)の超音波部門を事業統合し初の自社開発品である超音波画像診断装置 「SONIMAGE HS1」を同年7月に発売するなど、着実にその展開範囲を広げてきている。
今回の「Aixplorer」の投入により、ハイエンド領域までカバーした商品展開が可能になり、今後の成長が見込まれる超音波市場で国内シェア拡大を目指す。
●超音波画像診断装置「Aixplorer」について
「Aixplorer」は2009年に発売されて以来、ハイエンドの超音波画像診断装置の世界市場において、生体組織の弾性(硬さ)測定では先進的 な製品として、乳腺・肝臓領域を中心に高い評価を得ている。同社が独占販売するモデルでは、システムのハードウェアが一新されるとともにアプリケーションも充実し、日本市場においては乳腺のみならず、幅広い診療科で診断に貢献できるものと考えられている。
●主な特長
1.組織の弾性を定量的に測定
「Aixplorer」搭載の独自技術「ShearWave™ Elastography」は、生体内を伝搬する剪断波(せんだんは)を用いて組織弾性の絶対値を計算し、数値とカラーマップ画像でリアルタイムに画面上 に表示する。また測定の際、プローブで生体を圧迫する必要がないので、手法の習熟度に左右されず、再現性にも優れている。
乳がん検診などで腫瘍の硬さを調べるのに利用できるほか、肝臓疾患の検査でも肝線維化の評価に用いられて疾患の早期診断が可能となり、患者の痛みを伴う穿刺による診断を減らせる可能性があるなど、幅広い分野での応用が期待できる。
最新モデルは、従来モデルより時間分解能が高く、組織弾性のカラー画像の更新速度が速いため、疾患の見落としが無くなるほか、病変の細かい変化の確認が容易になるなど、さらに高精度になった診断能で患者のQOL(Quality of Life:生活の質)に貢献する。
2.高速画像処理で滑らかな血流のカラー動画像を提供
高速画像処理技術「UltraFast™ Imaging」により、画像処理に時間が掛かる血流のカラー動画像表示においても、1秒あたりのフレーム数(コマ数)を多くすることができ、滑らかな動画像を提供する。
「UltraFast™ Doppler」は、カラー動画像と同時に脈波を表示し、心臓血管疾患の評価や機能診断において活用が期待できる。また測定したデータを保存することで、検査終了後でもポストプロセス処理による計測が可能になり、医師に新しいワークフローを提供する。
3.多様な卓越した画像処理技術で画像のノイズを抑制
独自技術である「SuperCompound™」は、空間コンパウンド法という画像処理によってノイズを減少させ、コントラスト分解能を改善する。これにより、例えば首の頚動脈の画像においては、血管内のノイズが消え、血管内壁の構造が鮮明に表示される。
その他にも、フィルター処理によりノイズを抑えて画質を向上させる「SuperRes™」、検査対象組織に適した音速に調整し設定することで画質を向上させる「TissueTuner™」など、さまざまな卓越した画像処理技術の搭載により、高画質な画像を提供する。
●お問い合わせ
コニカミノルタヘルスケア株式会社
Tel.03-6324-1080
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