販売開始に先立ち、米国ホロジック社の日本法人、ホロジックジャパン(株)は、製造販売業者として、「ATECシステム」、「ATEC Breast Biopsyシステム」および「Eviva Breast Biopsyシステム」の認証を本年6月に取得した。吸引式組織生検用針キット「ATEC Breast Biopsyシステム」および「Eviva Breast Biopsyシステム」は、吸引式組織生検用針向け装置「ATECシステム」と接続し、主に乳癌の診断のために使われ、画像ガイド下で乳房内の病変に穿刺し、乳腺組織等を採取する装置である。
これらの製品は、2015年7月2日(木)、3日(金)、4日(土)に東京国際フォーラムで開催される「第23回日本乳癌学会学術総会」企業展示会、センチュリーメディカル展示ブースにて、日本国内では初展示されるとのこと。
1.吸引式組織生検とは
乳癌の確定診断のための診断方法には、「細胞診」、「組織診」があり、吸引式組織生検とは、組織診の方法の一つで、検診や診察で乳癌(または疑いがある病変)が見つかった場合に、画像装置(マンモグラフィや超音波装置等)で病変を確認しながら針を刺し入れ、針の側面にある穴から組織を吸引しながら採取し、病理検査を行って悪性か良性かを判断する検査である。ATECシステムは、その際にマンモグラフィ、超音波エコー、MRI それぞれのモダリティに合わせ、ステレオガイド下、超音波ガイド下、そして MRIガイド下生検で利用することができる。
・ステレオガイド下吸引式組織生検
ステレオ撮影が可能なマンモグラフィを用いて病変を確認して行う組織生検で、主に微小な石灰化病変の診断をする場合に行う。
・超音波ガイド下吸引式組織生検
超音波(エコー)診断装置で病変を確認して行う組織生検で、しこりなど、超音波で確認可能な病変に対して行うことができる。
・MRIガイド下生検
MRI検査を実施しながら生検を行う方法で、乳腺MRIで検査した中には、MRIのみでしか検出されない乳腺病変(MR 検出病変)も存在している。
※日本国内では MRIを用いた生検検査は保険適用外。
2.ATECの特徴 -Fast Simple Safe-
・モダリティにあわせ、ステレオガイド下、超音波ガイド下、そしてMRIガイド下生検で使用することができる。
・空気圧を利用して針を作動させる設計となっているのが特徴であり、電気的な誤作動などが起こりにくいという利点がある。
・ハンドピースはオールディスポーザブルであり、軽量。
・生理食塩液を開口部まで還流させて採取したい検体と体液を回収するため、豊富で質の高い組織検体を採取することができる。
・検体を1本採取する際のスピードは4.5秒であり、スピーディな検査を行うことが可能。・様々な症例に対応するための特長のあるニードル(針)のオプションがラインナップで用意されており、術者のニーズに細かく対応ができる。
・ソフトウェアが不要でセットアップが簡便であり、1分で完了できる。
3.日本の乳がん診療の発展に貢献
ATEC、Evivaの製品開発は、欧米におけるMRIガイド下生検の普及やトモシンセシスを用いたステレオガイド下生検の実施など、乳がん診療の新たな技術の導入や検査方法の確立に貢献し、さらにATECRは、欧米においてMRIガイド下生検に対応が可能な最初のデバイスとして2003年に初めて主要施設に導入され、数多くの臨床試験によりその性能が確認されている。
ATECシステムの合理的な製品設計と空気圧を用いて効率的に組織採取をする機能は、患者と医療従事者の双方を大切に考え配慮されたデザインで、スピーディな検査による術者と患者へのメリット提供と、シンプルな設計によるセットアップの簡便さ、そして患者と医療従事者の安全性を重視した検査の実現により、日本の乳がん診療の発展に貢献するという。
センチュリーメディカル(株) ブレストケアチーム
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