園田 実氏
森 修倫氏
中安一幸氏
木村通男氏
板橋幸男氏
石川慎一郎氏
渡邊 至氏
青沼正志氏
石川雅也氏
セミナー風景
富士フイルムメディカル(株)は7月4日ベルサール秋葉原(東京都千代田区)にて「富士フイルム医療ICTセミナー2015 in Tokyo」を開催した。
同セミナーではまず、園田 実氏(同社取締役・常務執行役員)は、「皆様のご支援のおかげで、ゼロからスタートした医療ITが、現在一番大きな事業となっている。5年後、10年後に高齢化社会を迎え、現場の皆様のお役に立てる、頼られるような企業になりたい」と開会の挨拶を述べた。また、オープニングプレゼンテーションとして、森 修倫氏(同社ITソリューション事業本部)が同社の最新医療ICTソリューションである統合支援プラットフォーム CITA Clinical Finderを紹介した。CITA Clinical Finderは、診療データを1つのプラットフォームに集約・表示を特長としており、患者ごとの診療プロセスの進捗状況を検索・表示が可能となっている。更に、電子カルテを始めとした必要な情報を自由にレイアウトして表示することにより、術後のリスク管理や次の診療計画につなげるなど、横断的な診療ワークフロー環境に貢献できると報告した。
続く第1部では、中安一幸氏(厚生労働省)が「これからの医療ICTと地域連携の方向性と期待」という講演を行った。現在の地域連携システムでは、高次なデータを活しきれていない、またそもそも高次である必要がない場合が多い。また、ネットワーク・ID・プライバシーなどの標準規格が必要であると説明し、同氏は、「負担にならず取得しやすいデータの管理、そしてデータを活用できる人間が必要。ICTのせいで不便や危険になってはならない」と見解を述べた。
第2部では「最新の医療ICT活用事例」という演題で、座長は木村通男氏(浜松医科大学医学部付属病院)が務め、ユーザの立場から講演が行われた。
まずは板橋幸男氏(国保旭中央病院)が「地域連携システムの活用事例」をテーマに講演。地域完結型医療にむけたC@RNA Connect導入のメリットを示した。C@RNA Connectは、周辺地域のクリニックのインターネットから24時間いつでも簡単に予約でき、病院側の予約担当者が不要になる。また、同病院でCT・MRI検査は、診察・検査・説明と患者は3回の来院が必要であったが、同サービスを導入後、クリニックで診察と説明が行われるので、1度の来院で済むことになった。その効果として、放射線検査紹介患者数が約5倍の122件/月になった。同氏は「C@RNA Connectは、病院・クリニック両者に経済的であり、継続的な利用がしやすい。地域包括ケアシステムに貢献でき、職員にも地域医療連携の意識が浸透してきた」と述べた。
石川慎一郎氏(佐賀大学医学部付属病院)は「検査部門システムの活用事例」の題で、Prescient PHYS導入による自科検査部門の業務効率化について触れた。自科検査の課題として、各部門で管理しており診療記録の品質担保がない、生産性の考慮が薄い、コストの算定が不確実、検査結果の行方がわからなくなるという点を挙げた。これらの問題に対して、Prescient PHYSを用い25部門でシステムを共通化、電子カルテのレポートを収容し品質を担保、医療情報の集約化を実現させた。同氏は「今後は、より多くの分野でone stopでの情報処理の実行と院内の動線などの効率化を目指していきたい」と展望を語った。
渡邊 至氏(横浜市立大学)は「最新の医療ICT活用事例~新棟移転を経験して」と題して発表を行った。同病院は、2015年4月13日に新棟移転を行った。病院を最短の閉鎖期間で、麻酔科医が働きやすく、医局のモデルとなるような施設の構築を掲げ、新棟では、生体情報システムPrescientと超音波診断装置SonoSiteなどを導入。Prescientのメリットとして、麻酔記録の電子化によるデータベース利用と多忙な麻酔科医の入力ミスを防ぐ役割を果たしていると説明した。SonoSiteはライブセミナーに活用されていて、今後は大学との相互通信を予定している。同氏は「最短の閉鎖期間での移転を経験して、専門家であるメーカからのより積極的な提案が欲しい」と思いを述べた。
続いて、青沼正志氏(富士フイルム(株)R&D統括本部)が次世代SYNAPSEと情報プラットフォームVNAの紹介をした。次世代SYNAPSEは、操作性向上とストレス軽減、高速画像表示、システム連携を開発コンセプトとしており、クライアント側がHDDではなくメモリに画像を保存することで実現可能となっている。また、画像表示終了時にクライアントに画像データ、履歴が残らないので個人情報保護の点についても優れている。次にVNAは、複数のPACSからの画像データや検索結果の保管が可能で、地域医療連携での画像参照を提供できると報告した。
最後に、石川雅也氏(同社東京地区営業本部)がセミナー参加のお礼と50周年の感謝を述べ、同セミナーを締めくくった。
同セミナーではまず、園田 実氏(同社取締役・常務執行役員)は、「皆様のご支援のおかげで、ゼロからスタートした医療ITが、現在一番大きな事業となっている。5年後、10年後に高齢化社会を迎え、現場の皆様のお役に立てる、頼られるような企業になりたい」と開会の挨拶を述べた。また、オープニングプレゼンテーションとして、森 修倫氏(同社ITソリューション事業本部)が同社の最新医療ICTソリューションである統合支援プラットフォーム CITA Clinical Finderを紹介した。CITA Clinical Finderは、診療データを1つのプラットフォームに集約・表示を特長としており、患者ごとの診療プロセスの進捗状況を検索・表示が可能となっている。更に、電子カルテを始めとした必要な情報を自由にレイアウトして表示することにより、術後のリスク管理や次の診療計画につなげるなど、横断的な診療ワークフロー環境に貢献できると報告した。
続く第1部では、中安一幸氏(厚生労働省)が「これからの医療ICTと地域連携の方向性と期待」という講演を行った。現在の地域連携システムでは、高次なデータを活しきれていない、またそもそも高次である必要がない場合が多い。また、ネットワーク・ID・プライバシーなどの標準規格が必要であると説明し、同氏は、「負担にならず取得しやすいデータの管理、そしてデータを活用できる人間が必要。ICTのせいで不便や危険になってはならない」と見解を述べた。
第2部では「最新の医療ICT活用事例」という演題で、座長は木村通男氏(浜松医科大学医学部付属病院)が務め、ユーザの立場から講演が行われた。
まずは板橋幸男氏(国保旭中央病院)が「地域連携システムの活用事例」をテーマに講演。地域完結型医療にむけたC@RNA Connect導入のメリットを示した。C@RNA Connectは、周辺地域のクリニックのインターネットから24時間いつでも簡単に予約でき、病院側の予約担当者が不要になる。また、同病院でCT・MRI検査は、診察・検査・説明と患者は3回の来院が必要であったが、同サービスを導入後、クリニックで診察と説明が行われるので、1度の来院で済むことになった。その効果として、放射線検査紹介患者数が約5倍の122件/月になった。同氏は「C@RNA Connectは、病院・クリニック両者に経済的であり、継続的な利用がしやすい。地域包括ケアシステムに貢献でき、職員にも地域医療連携の意識が浸透してきた」と述べた。
石川慎一郎氏(佐賀大学医学部付属病院)は「検査部門システムの活用事例」の題で、Prescient PHYS導入による自科検査部門の業務効率化について触れた。自科検査の課題として、各部門で管理しており診療記録の品質担保がない、生産性の考慮が薄い、コストの算定が不確実、検査結果の行方がわからなくなるという点を挙げた。これらの問題に対して、Prescient PHYSを用い25部門でシステムを共通化、電子カルテのレポートを収容し品質を担保、医療情報の集約化を実現させた。同氏は「今後は、より多くの分野でone stopでの情報処理の実行と院内の動線などの効率化を目指していきたい」と展望を語った。
渡邊 至氏(横浜市立大学)は「最新の医療ICT活用事例~新棟移転を経験して」と題して発表を行った。同病院は、2015年4月13日に新棟移転を行った。病院を最短の閉鎖期間で、麻酔科医が働きやすく、医局のモデルとなるような施設の構築を掲げ、新棟では、生体情報システムPrescientと超音波診断装置SonoSiteなどを導入。Prescientのメリットとして、麻酔記録の電子化によるデータベース利用と多忙な麻酔科医の入力ミスを防ぐ役割を果たしていると説明した。SonoSiteはライブセミナーに活用されていて、今後は大学との相互通信を予定している。同氏は「最短の閉鎖期間での移転を経験して、専門家であるメーカからのより積極的な提案が欲しい」と思いを述べた。
続いて、青沼正志氏(富士フイルム(株)R&D統括本部)が次世代SYNAPSEと情報プラットフォームVNAの紹介をした。次世代SYNAPSEは、操作性向上とストレス軽減、高速画像表示、システム連携を開発コンセプトとしており、クライアント側がHDDではなくメモリに画像を保存することで実現可能となっている。また、画像表示終了時にクライアントに画像データ、履歴が残らないので個人情報保護の点についても優れている。次にVNAは、複数のPACSからの画像データや検索結果の保管が可能で、地域医療連携での画像参照を提供できると報告した。
最後に、石川雅也氏(同社東京地区営業本部)がセミナー参加のお礼と50周年の感謝を述べ、同セミナーを締めくくった。