Assurity MRI™およびEndurity MRI™ペースメーカの製品ラインの上市により、MRI対応の
カーディアック・リズム・デバイス(心臓調律デバイス)に関する同社のポートフォリオを強化
Assurity MRI™は、条件付きMRI対応ワイヤレス・ペースメーカ1)の中で世界最小かつバッテリー最長寿命の全身スキャン可能2)なペースメーカで3)、 同ペースメーカを使用している患者様は磁気共鳴画像装置(MRI) を利用できるという。本デバイスには、シングルチャンバ型(心房または心室のどちらか一方のみで機能する)4)とデュアルチャンバ型(心房および心室の両方で機能する心房心室順次ペーシング)5)のラインナップがあり、この最新の条件付きMRI対応ペースメーカについて、「従来のペースメーカと同様の薄さでさらに小型化され、電池寿命も長くなるAssurity MRI™ /Endurity MRI™ペースメーカには大いに期待している。ペースメーカの小型化により患者さんへの侵襲は少なくなりQOLが向上し、また、電池寿命が長くなることで交換頻度が減少するため、それに伴う感染症のリスク低減にもつながる。患者さんにも私たち医療従事者にとっても安心できるペースメーカではないでしょうか。」と日本大学医学部内科学系循環器内科分野の中井俊子先生は述べている。
同社のグループプレジデントであるエリック・S・フェイン医師も、次のように述べている。「弊社は、世界中の患者様と医師にMRI対応ペーシング・ソリューションを提供すべく最大限の努力を続けている。日本の多くの患者様が、MRIスキャンの利用が可能なペーシング療法の恩恵を受けられると考えており、また、この重要な診断ツールに対応するカーディアック・リズム・テクノロジーの発展に、現在および将来にわたって注力していく。」
また、Assurity MRI™ ペースメーカは、遠隔モニタリングシステム6) Merlin.net™ Patient Care Network(PCN)に対応しており、患者様を遠隔にて管理することが可能で、この遠隔モニタリングシステムにより、心房細動関連イベントの早期発見と心不全関連の入院減少7)に貢献することが期待されるという。
毎年、世界中で約100万個のペースメーカが植え込まれているが、Assurity MRI™およびEndurity MRI™ ペースメーカの製品ラインにより、不整脈治療に対するソリューションをさらに拡充させていくとのこと。
同社の不整脈事業について
同社の不整脈事業は、同社内で最も急速に成長している事業の1つで、世界的に著名な電気生理学者、臨床医、および病院管理者と協働する中心的企業として、最新の心臓調律デバイスを必要とする患者様に対し、安全かつ費用効果的な治療ソリューションを創出するという。
不整脈治療について
心臓の拍動(脈)が速くなったり、遅くなったりなど“脈が乱れる”ものを不整脈と呼ぶが、“脈が遅くなる”ものを徐脈と呼ぶ。徐脈は、心臓の「自然のペースメーカ」と呼ばれる洞結節または刺激伝導系が正常に働かなくなったことが原因で引き起こされる。徐脈が進行すると、立ちくらみ、息切れ、倦怠感、衰弱感、めまい、失神などが多く、激しい身体活動が難しいケースも出てくる。こうした症状が持続的または断続的な徐脈によって引き起こされる場合にペースメーカ治療が有効となるという。
ペースメーカ治療について
ペースメーカが必要となる代表的な不整脈(徐脈)は2つある。
●完全房室ブロック:
「房室ブロック」とは心房と心室を通っている電気の通り道である「刺激伝導系」の特に「房室結節およびヒス束」で電気刺激が通りづらくなったり、流れが止まったりする病気で、この病気になると、心拍数が著しく低下し、めまい、失神に陥ることがあるという。
●洞不全症候群:
心臓のリズムが遅くなる病気で、「洞結節」が機能不全になったり、機能停止したり、洞結節からの信号が途絶したりします。通常「洞結節」が機能不全になると、次の房室結節が心拍リズムをサポートしますが、サポート機能が少ないと心臓から全身に送り出される毎分の血液量が低下し、立ちくらみ、めまい、失神を起こすことがあるという。
1)ワイヤレス・ペースメーカとは、専用プログラマ等と無線(ワイヤレス)で交信できるペースメーカをいう。
2)接続するリードとの組み合わせによる。
3)現在販売されている条件付きMRI対応のワイヤレス・ペースメーカのうちで世界最小かつ最長の電池寿命。2015年6月1日現在、同社リサーチ。
4)右心房あるいは右心室に1本だけリードを留置。
5)右心房、右心室の両方に計2本のリードを留置。
6)遠隔モニタリングとは、電話回線を通じて患者様のデバイスデータを収集し、インターネット回線によりパソコンなどから閲覧する仕組みのことをいう。Assurity MRITMペースメーカは前述のとうりワイヤレス・ペースメーカであるため、遠隔モニタリングシステムに対応。
7)Faulknier B, Richards, M. (2012年12月4~7日)「The Association of the Use of the Ventricular Intrinsic Preference(VIP™)Feature with Heart Failure Hospitalization in Pacemaker Patients(ペースメーカ患者における心室自己心拍優先機能[VIP]の利用と心不全入院の関連)」。本論文は、ローマ(イタリア)で行われた第15回国際臨床ペーシングシンポジウムにて発表された。
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セント・ジュード・メディカル(株)
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