続けて月曜日ですがこれも事前レポのとおりGastrointestinal (Dual Energy CT) Monday 10:30-12:00 PM | SSC03 | E353Aへ参加しました。特に取り上げたいのは腹部領域でのDual Energy CTを用いた造影剤低減の検討があり、ここ数年論文でも多く報告されています。今回は37%の低減可能で、60KeV使用がベターとされていました。更に線量も、通常DLP 513mGyに比べ489mGyと10%低減と報告がありますが、少し疑問な点もありました。造影剤低減法としてもDual Energy CTにおいては現在国内でも注目されつつある手法と思います。また、Dual Energy画像のFOV外側アーチファクトの検討は、なかなかマニアックな内容!?でした。一方、チャレンジング発表は腺がんと腺腫の区別をトータル24症例において、Dual Energy CTにて行った発表です。造影動脈相の腫瘍部位にROIを置き、仮想単色技術によりエネルギーごとの仮想CT値をとりその、スペクトラルHUカーブを求め、定量する手法でした。しかし、画像より測定結果を求めるので腫瘍内のROIを取る位置、大きさ、混合性腫瘍、血管の混在、造影法など定量的には少々難ありかとも思われ精度的には気になるところです。。。。。この手法ですが、結局は腫瘍内のヨードをkeVごとの仮想CT値で定量化して、判断する?ということと考えますが、結果OK?といえばそのようにも感じます。しかしながらDual Energy CTの更なる臨床応用の可能性を大いに感じた演題でした。
2015RSNAでは私の最近の研究テーマでもあるDual Energy CTに関して情報収集をしていますが全般的に感じたことは、仮想単色画像はsecond generationに入ったと思います。今年に入って更なる進化していると感じました。仮想単色CT画像は、低keVにおいて画像ノイズが多くなり、その使用はある程度の制限されていることが問題点でしたが、各社ともそれを克服し、低KeVにおいてのノイズ特性改善やCNRの向上が可能となりました。これにより、かなり低keV領域は使いやすくなりつつあるという印象が多く感じられました。このメリットは低KeVの造影剤感度上昇により、造影剤低減の可能性が示唆されます。
しかし、新仮想単色画像の画像計算では、どのメーカーも最近の逐次近似応用再構成に似たような、反復の画像計算も行われており、注意も必要と思われます。先行研究論文や、今回の学会でも造影剤に対しての低KeV領域での革新的なCNRの向上がメリットとして発表されていましたが、今後、画質(NPS、MTFも含め)の物理特性に関してはその測定法も含めて検討が必要と思います。
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