一般社団法人日本医療機器産業連合会(医機連)は、2016年1月6日、KKRホテル東京(東京都千代田区)にて、平成28年年頭記者会見を行った。
中尾浩治氏(医機連会長)はまず、デバイスラグ、デバイスギャップが縮小傾向にあると昨年を振り返った上で、この1年の歩みの特筆すべき点として、医療機器分野でのイノベーションを推進するための人材育成の大学講座を、昨年10月に日本で初めて立ち上げたことを挙げた。
2016年の取り組みとしては、「医療保険制度改革への対応」、「医薬品医療機器法の運用への対応」、「諸外国の規制への対応」、「コンプライアンスの徹底」、「イノベーション人材の育成」、「UDI利活用の推進」、「医療ICTの推進」、「広報活動の活性化」の8つの項目に分けて述べた。
「医療保険制度改革への対応」では、診療報酬改定に消費税増税といった毎年改定に反対の姿勢を表明、特に消費増税に伴う価格改定については、償還価格に一定の割合を乗ずるなどの策を講ずることを求めるなどとした。
「イノベーション人材の育成」では、昨年、産官学が連携して発足をさせたジャパンバイオデザインプログラムが実施するフェローコース、クラス及びワークショップの受講を通じて企業人材を育成するとした。プログラムの一環として開催されるセミナーについても、東京を皮切りに大阪や仙台での開催に意欲を見せた。
最後に同氏は、1~2年単位の短期財政論に終始するのではなく、中長期的な視野で医療のあり方や質の問題を考えていく必要があるのではないかとし、「医療のICT化」によって、施設を超えた患者情報の共有、各施設ごとの財政状況の把握などをすることで、医療の質の向上につながると強調した。