シーメンスヘルスケア、ハイエンド超音波画像診断装置「ACUSON S Family HELX Evolution」シリーズ5台を社会医療法人博愛会 相良病院に国内初導入し、稼働を開始
シーメンスヘルスケア(株)(以下、シーメンス)は、社会医療法人博愛会 相良病院(以下、相良病院)向けに、ハイエンド超音波画像診断装置「ACUSON S Family HELX Evolution(アキュソン エス ファミリー ヘリックス エボリューション)」シリーズを5台納入した。5台の内訳は「ACUSON S2000」が3台、「ACUSON S1000」が2台で、2016年1月より相良病院にて乳腺超音波検査に用いられる。「ACUSON S Family HELX Evolution 」は2015年10月にシーメンスが国内販売を開始したもので、今回が国内初の導入・稼働となる。
超音波画像診断装置は、X線による被ばくがないこともあり、特に乳腺の多い20代、30代や妊婦にも安心して受けられることが特長だ。これまでの検査では、乳腺内の組織の形や血流情報を診るのが一般的でしたが、「ACUSON S Family HELX Evolution」は、しこりの形状や血流情報だけでなく、「硬さ」を画像化・数値化することができる「アーフィーイメージング技術*1」及び「シアウェーブ エラストグラフィ技術*2」を搭載しており、これらを併用することで、さらに精度の高い診断と経過観察に貢献する。つまり、これまで触診に頼っていたしこりの硬さを画像化・数値化できるようになり、より客観的で普遍的な検査が行えるようになる。また、受診者が体位を変えることなく瞬時に検査ができるため、受診者の身体的・精神的な負担も少なくなる。さらに、検診で乳がんを疑われた場合、一般的には細胞の一部を採取して行う病理検査で確定診断を行うが、「硬さ」の情報が加わることにより、不要な病理検査を減らせることも期待できる。
現在、日本人女性の12人に1人が乳がんに罹患すると言われている*3。その早期発見、診断のために世界的に信頼性が高いものとして、マンモグラフィ検診が挙げられる。しかし近年、 米国では受診者の乳腺が発達している高濃度乳腺(デンスブレスト)の場合、「マンモグラフィに向いていない」、「マンモグラフィでは見つけにくい」などが話題に上がるようになり、検診に超音波検査を加えようという流れがある。日本でも2007年(平成19年)に、厚生労働省が国家的プロジェクト「J-START(ジェイ・スタート)」を立ち上げ、40代の女性を対象に乳がん検診においてマンモグラフィと超音波の併用が有効かどうかを検証する比較試験を開始した。2015年10月の第25回日本乳癌検診学会学術集会で、マンモグラフィに超音波を加えることで、発見率の向上と中間期がんを低下させられること、また、将来の死亡率減少効果が十分に期待できるレベルであるということが示された。日本人を含むアジア人で50歳以下の女性の高濃度乳腺の割合は約80%と言われており*4、超音波検査の重要性はさらに増していくと考えられる。
社会医療法人博愛会 相良病院理事長の相良吉昭氏は、「ACUSON S Family HELX Evolution」の導入・稼働について以下のように述べている。「理想的な乳がん診療を行うことを目的として、全国初の特定領域がん診療連携拠点病院である相良病院と、高い技術力と幅広いネットワークをもつシーメンスが手を結びました。その取り組みのスタートがACUSON S Family HELX Evolutionの導入であり、今まで以上に質の高く、体に優しい乳がん診療が可能になります。これからも、女性医療センター完成に向け、乳がん医療の最良事例をシーメンスとともに提案いたします」。
シーメンスヘルスケア株式会社 社長兼CEOの森秀顕氏は、「昨年4月に相良病院とシーメンスがパートナーシップ契約を締結して以来、今まさに最先端の女性医療の実現を目指すべく、ともに取り組んでいるところです。今回のACUSON S Family HELX Evolutionの納入は、つねに身体に優しく、高度で正確な診断・治療・アフターケアを患者様にご提供したいという相良病院の思いに応えられるものと信じています。新病院の竣工、またその後の発展のためにも、シーメンスは引き続き全面的にサポートしてまいります」と、述べている。
*1: アーフィーイメージング技術: 超音波の力で組織を押し、その変位(位置の変化)を画像化・数値化することで、硬さを評価する技術
*2: シアウェーブ エラストグラフィ技術:超音波の力で組織を押してせん断弾性波(シアウェーブ)を発生させ、組織内部を伝搬する速度で硬さを測定、数値化する技術
*3: 国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター「最新がん統計」より
*4: F. Boyd et al, The New England Journal of Medicine 2007; 356:227-36
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